発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

10.歌唱/ステージ

Q.以前、楽に歌えていたことが、わからなくなって、歌えなくなりました。

A. わからなくなって歌えなくなったのか、うまく歌えなくなったからわからなくなったと思ったのかどちらでしょうか。どちらにしても、それは新しく学ぶためのきっかけになると思います。

Q.歌うときは、歌の内容や意味、情景を考えるべきですか。

A. マスターした曲で、全てが身体の中に入っていたら、それは無心で歌われていることも多いと思います。お客さんがいれば、そちらのほうに配慮したり、ステージパフォーマンスに集中する場合もあるでしょう。現場でしか、できないことは、なおざりにはでき…

Q. 歌うときのコントロールというのは、プロの歌手は、どこでやっているのでしょうか。

A. それを意識的にどこか感覚で決めて行っている人もいると思いますが、大体の場合は、あまり考えてないのではないでしょうか。表現に集中して、景色を思い浮かべたり、言葉に力を込めようとしたり、などという人もいると思います。

Q.歌手によって、いろんな振り付けや身体の動きがあるのは、なぜでしょうか。

A. それは、自分の歌をより伝えようとするための、必要性に基づくものです。頭で考え計算して振り付ける場合もありますが、歌っているなかからしぜんとそういった動きが出てきている場合もあります。もちろん、無駄な動きのないようにチェックはしたいもの…

Q.表情やパフォーマンスがない歌手に憧れます。

A. 人前で歌うのに、ビジュアル的なパフォーマンス効果も重要視される最近の歌唱においては、あまり表情がないとかふしぜんすぎるのは、よくないことだと思います。 ただし、少年少女合唱団のように、ある時期において、統一性を重視した場合に、それが許容…

Q.歌うのには、口を大きく開けることが必要ですか。☆

A. イメージとして、そんな感じがあります。日本人には、日頃、あまり口を動かさない人も多いからです。ヤッホーと叫ぶときに、口を開けますが、限度まで大きく開けるわけではありません。開ければ開けるほどよいと思うと、いろんな障害が起きることがあり…

Q.マイクを使うと、気持ちが伝わらないというのは本当ですか。

A. マイクを使おうが使うまいが、伝わるものは伝わるし、そうでないものは伝わりません。第一にマイクは声量を補います。ただ、マイクは、普段の話す声の質を変えます。スピーカーから出てくる声は、生の声ではありません。リヴァーブが強くかかっていると…

Q.マイクとヘッドホンで、ヴォイストレーニングをするとよくないのでしょうか。

A. 目的にもよります。最終的な表現が、そのようなものであれば、それは本番と同じ練習ということになるでしょう。しかし、基本的な発声を覚えていくようなヴォイストレーニングの場合は、そのことによって、身体や声の感覚をつかみにくい場合が多いので、…

Q.なんとなく不安定で、自信がないように、歌が聞こえます。

A. それは声や歌の表現にためらいがあったり、きちんと伝えようとする覚悟がない場合かもしれません。つまり、自信がないように歌うと自信がないように聞こえるわけです。もちろん、そういった気持ちの面でしっかりしていても、基本的な技術に欠けると、そ…

Q.声が出るようになると、歌がうまくなりますか。

A. これもどのレベルで答えるのか難しいのですが、楽器に例えてみると、音が出るようになるからといって、うまく演奏できるとは限りません。とはいえ、音が出にくい楽器に比べたら、音がよく出るような楽器は、演奏もうまくなりやすいと思います。一般的に…

Q.一番簡単に歌に入っていくにはどうすればよいでしょう。

A. まず日常的に使っている声で朗読をします。次に心を込めて朗読します。それを繰り返している間に、歌いたくなれば歌えばいいのです。 どう歌うかというのは、その歌を何回も何回も聞いていたら、そのうち合わせて歌いたくなるでしょう。キーの設定につい…

Q.定年後などで、歳をとってからでも、歌は始められるのでしょうか。

A. どんな習いごとでも、年齢制限というのは、ありません。その歳のレベルで問うことはあっても、なんでも、それなりに始めることはできると思います。 歌は健康にも役立つし、声というのは、生涯使っていくものですから、他のものに比べて、かなり身近なも…

Q. 歌は実際にやってみると、かなり難しいと思います。

A. 難しいといえば、何事でも難しくなります。簡単に考えてみれば誰でもできるわけです。 その上で、どのぐらい上達するかというのは、自分なりに設定していけばよいのではないでしょうか。プロであれアマチュアであれ、自分なりに歌うことを楽しんでいます…

Q.歌うのに抵抗があるのですが、どうすればよいでしょうか。

A. 人前で話すことと同じように、あるいは、それ以上に、歌というのは、なんとなく自分の内面が出てしまうように思う人もいます。しかし、だからこそ自己表現でもあり、また内面が出たからといって、それは隠さなければいけないようなものではないわけです…

Q.声でのフレーズ感や流れと発音の明瞭度とどちらを重視した方がよいでしょうか。☆

A. 歌のジャンルにもよれば、その人の歌い方にもよるし、声や歌詞や音楽といったものをどのように捉えるかによっても違ってきます。その結果、ポップスにはいろんな歌い方があるわけです。ですから、自分で研究して決めていくことでしょう。 この二つの要素…

Q.小さい頃から始めていないと、歌や音楽は上達しないでしょうか。

A. 確かに小さい頃から始めていると有利だと思いますが、楽器に比べて、歌は、声そのものが成長し変わっていくので、早く始めた方が有利ということではないでしょう。また安定してくるのがかなり遅いので、何歳から始めても、上達していくことができるもの…

Q.出だしは弱く出て、歌うにつれ、強く出すと、歌は盛り上がるのでしょうか。

A. 曲にもよりますが、オーソドックスな曲の構成は、低めのAメロから入って、高めのサビに向かいますので、そのようになっている場合が多いです。ただし、あまり考えすぎてそのように歌うと、形がよくありません。やはり気持ちで自然とそのようになるような…

Q.イの発声が浅くなり、うまく歌いにくいです。☆

A. イに関しては、日本語のイというのが、口を浅く横に引っ張るために、深い響きが得られず難しいです。外国語などのiは、最も深く、共鳴が集まりやすいのです。舌の前が上がり、後ろの空間が大きくなるからです。高い音などもiがもっとも有利です。 イが出…

Q.胸式呼吸というのは歌うときに絶対に使わない方がよいのでしょうか。☆

A. 腹式呼吸と比べたときに、欠点があるところで、胸式呼吸を使うのはよくない、というような形で対応させるなら、うまく習得できてない、腹式呼吸を学びましょうということです。 実際の歌では、そんなものは区別すべきではありませんし、歌がよければよい…

Q.今、歌えている歌をバージョンアップさせるためには、どうすればよいでしょうか。☆

A. 言葉やフレーズのメリハリが、大体の場合は、足りていないものです。ですから、言葉をせりふでメリハリをつけて読むこと、また歌を大げさにできるだけ大きな声で歌って流れをつかむことです。テンポを変えると理解しやすくなります。その後に、ていねい…

Q.きれいな声で歌いたいと思いますが、なかなか難しいです。

A. きれいな声というのが、どういう声を指すのかで、だいぶ違ってきますが、きれいな声で歌おうと意識すると、表現や個性や、説得力が出にくいでしょう。子供なら、きれいな声でうまく歌えたときには褒めてあげられると思います。カラオケや合唱などでも、…

Q.歌を歌うときは、正しい発音で、口の形を意識して歌うのでしょうか。

A. 発音をクリアに練習するときに、一時的にそのようなことを試みるのはよいことだと思います。ただし、歌のときには、一つ一つの発音を確認するようなことは、しないでしょう。ある発音が間違っているとか聞き取りにくいというときに、注意して行うくらい…

Q.ウとオの発音が暗くなります。

A. ウとオは、音色自体が暗めでの発音ですから、あいまいにこもったりしがちです。他の母音の声の響きに合わせて、加減してみるとよいでしょう。やや明るく前向きに、前に出すようにするのもよいでしょう。5つの母音の発声を安定させてください。

Q.マイクの距離が、昔とはずいぶん違って近づいてきたように思います。

A. 確かに昔は、マイクの性能もあまりよくなく、スタンドマイクが主流でしたが、技術的な革新によって大きく変わってきました。PAの調整によっても、どういう声でも拾えるようになってきたのです。ですから、ややかぶせて近づけて、歌っている人がとても多…

Q. マイクに口がつくくらいに歌っていると思いますが、よいのですか。

A. マイクの使用法としても、衛生上もよくはありません。口パク、音声を別に流しているために、口の動きが合わないのを隠すような目的で使う人まで出てきました。実際に収録したものから、マイクの距離や方向を自分なりに工夫し、ときには変化させる必要が…

Q.マイクを口に近づけるとどうなるのでしょうか。☆

A. 本来は、拳を1つ2つ分、離した方がよいのです。口の真正面に構えず、斜め下に45度くらいにします。その方が自分自身の声に近いものが聞こえ、リバーブもうまくかかります。 近いと口や息で生じるノイズが入ってしまうのもよくありません。歌の場合は、ラ…

Q.せりふではメリハリはわかりますが、歌の中でつけるということがよくわかりません。

A. せりふと違い、歌の声というのは、ロングトーンが基本ですから、伸ばしているなかで強くしたり弱くしたりしなくてはなりません。そこにビブラートという共鳴が関係します。 ですから、長く伸ばす、だんだん強くする、だんだん弱くする、だんだん強くして…

Q.歌のメリハリとは、クレッシェンドとデクレッシェンドなのでしょうか。

A. せりふに対して、特別に身につけなくてはならないのが、共鳴やビブラートということであり、表現として問われるメリハリというのには、いろんな要素があります。 歌の中の言葉のつけ方とか入れ方、強弱も、せりふと同じように関係してきますし、全体の構…

Q.歌が一本調子で下手に聞こえるのは、メリハリがないからですか。☆

A. 一言でいうと、メリハリが弱いというと、総合的にわかりやすいかと思います。自分で歌を動かそうとしなくては、独自のメリハリはつきません。しかし、曲というのはメリハリがつくように作られていますから、それをきちんと踏まえたらよいのです。自分な…

Q.情熱的に伝えたいのに、カラオケでは、熱量が出ないように思います。

A. カラオケでは、ことばをていねいに音を外さないように気遣って、小さくまとめて歌ってしまいがちです。そのために、パワーや情熱に欠けます。それが、カラオケの歌の退屈なところです。特にエコーは、その人の個性を消してしまいます。小さな声で歌おう…