発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

23.一般的なヴォイトレ/スクール/トレーナー/レッスン

Q.最近は、あくびよりも、あたたかく息を両手に吐くようなメニュが流行っているのですか。

A. ともかく発声といえば、あくびの状態というようなブームは過ぎたようです。息を強く吐くとか、短く鋭くみたいなトレーニングも一巡したのかもしれません。息という見えないものを感じさせるために、温かい息を吐くとか、身体を温めるように吐くなどとい…

Q.科学的に、ヴォイストレーニングを行っているというところで、気をつけることは何なのでしょうか。

A. とても難しいことですが、いわゆるエビデンスの取り方に気をつけることだと思います。 私が気をつけているのは、第一に、長期的な効果です。短期的に効果が出ても、元に戻るようでは、本当のトレーニングとはいえません。

Q.レガートのトレーニングばかりを教えられて、先に進んでもらえません。☆

A. それがあまりできていないのか、それをより完全に仕上げていくことによって、次のステップに進むというようなプロセスだからではないでしょうか。 指導者によっていろんな考え方があるので、そこは何とも言えません。 極端な話、本当にレガートがきちん…

Q.トレーナーが、科学的、生理的には、おかしな説明をするのですが、よいのでしょうか。☆

A. トレーニングは結果を出すためなので、それが正しいかどうかということよりも、効果が出るかどうかということが大切です。ただし、そのことを疑い、トレーナーの指導に疑問を感じるのは、効果を半減させてしまいます。体で習得していくものは、イメージ…

Q.歌うためのストレッチや体操がたくさんありすぎて迷います。どれをすればよいのでしょうか。

A.目的やあなたのタイプによって、かなり違います。いろんなものをやって、自分が合うと思うものを選んでいけばよいと思います。よほど偏っておかしな形で行わないのであれば、スポーツや運動など同じように、普通に柔軟運動や筋トレをしておけばよいのです…

Q.歌がうまく歌える先生についていますが、なかなか声がうまく出ません。

A. 歌がうまく歌える先生ほど、あまり苦労もしないで歌えるようになっているので、なぜうまく歌えているかがわからないのです。つまり、小さな頃から5キロ以上も、通学している子供たちが、足が速いというようなことと同じです。そういう場合は、そうでない…

Q.海外のヴォイストレーナーの声をどう思いますか。

A. 日本人からみると優れていると思いますが、やはり、人によります。 たとえば、世界的なヴォイストレーナーとして最も著名な人の声は、レッスンで指示している声だけを聞いても、プロの声だとわかります。セス・リグス氏などは、何度でも、その声だけを聞…

Q.海外でヴォイストレーナーにつく方が早いですか。

A. 日本人に対しては、あまり成果をあげているとは思えません。日本人は、そういうところにも、たくさん習いに行っていますが、ゼロから実力歌手にした実績は見当たりません。有名なトレーナーほど有名な歌手を引き受けるということもあるでしょう。 大体が…

Q.海外のヴォイストレーニングなら、声そのものの実力はつきますか。

A. スピリチュアルなどの分野と同じで、欧米など海外に行ったり、カリスマトレーナーについたら、それが肩書に使えるという、そのための投資のように思えます。そこで、もしセス・リグス氏以上に、パワフルなすばらしい声になったという日本人がいたら、紹…

Q.ヴォイストレーニングといわれる方法は正しいのですか。

A.本やYouTubeなども、ステージを直前としたときのヴォーカルアドバイスがほとんどです。それは、プロデューサーやディレクターの立場からアドバイスです。 それを私は部分的処方と名づけています。そこでやってみてすぐに効果が出るようなことをならべて…

Q.レッスン中に「今どんな体感でしたか」と聞かれてもよくわからないことが多いです。その質問は必要ですか。

A. どんな体感だったか「よくわからなかった」というそれ自体がひとつの答えです。そのような質問をされたら堂々と「よくわからなかった」と返答すればよいのです。トレーナーは、優等生のような返事を求めて質問しているのではないと思います。たとえ声の…

Q.レッスンを単価で比べるのはどうでしょうか。

A.どのレッスンでも同じ内容ということはないのに、単価だけで決めるのはおかしなことでしょう。 しかし、現実として、今の社会では、時間単価で、同一トレーナーなら同額というのが、フェアなこととして求められています(多い回数での割引は納得しやすい…

Q.時間が長く回数が多い方がよいでしょうか。

A.回数が多く、時間をかけた分、見返りが大きいということは確かにあります。

Q.どのスクールがよいか、判断に迷います。

A.自分によかったとしても、よいというのは何がよいのかを考えてみましょう。早いのか簡単なのか安いのか、即効的なのか長く使えるのかなど、さまざまです。 そういう判断を的確にするために、日頃から考えておくことです。いろんな人や情報に接して多角的…

Q.レッスンでトレーナーからよかったと言われるとき、自分としてはむしろいつもよりよく聴こえない感じがするのですが。これでいいのでしょうか。

A.私たちはどうやっても自分の声を客観的に聴くことができません。なので自分の判断と、トレーナー(ライブであればお客)の判断とで違いがあるのは当然のことだと言えます。 もう一つ気になることは、あなたが自分の声を聴き過ぎていた可能性もあるという…

Q.発声をするときのメニュは、その人の求めるジャンルによって変えるのですか。

A.発声の基礎的な部分のトレーニングは、どのジャンルであっても、それぞれの場で同じ基礎が役立つという捉え方をしています。ライブや舞台、朗読や講演など、活躍する場は違っていても「本番前にこれをやると調子がいい」と好んで取り入れている方法は割…

Q.女性の先生は、低い深いところは、一般的にやらないのですか。

A.男女に関わらず、実際に変わる可能性のあるところを中心に行います。ただ、男性の胸声について理解が足らないトレーナーもいるでしょう。

Q.トレーナーをしています。専門的すぎる質問への対応はどうすればよいでしょう。

A.後に回してもよいです。質疑応答は、下手に答えるよりは、後で正しく返答する方がよいでしょう。自分の話に責任をもつために答えるのだから、返答できなければ情報不足や用意不足をお詫びして、「しっかりと調べてお返事します」という対応でよい。誠実…

Q.発声や歌には、身内の評価というものはあるのですか。

A.体や発声にだけ忠実な、ヴォイトレの延長上のヴォーカルや欧米の歌唱にまったくもって忠実なヴォーカルは、私のところにもかなり優秀なレベルでいました。そういう人は、ヴォイトレをやりたい人のなかでは、あこがれや目標でした。ただ、うまいと思って…

Q.師匠の唄まねから脱皮したい。

A.先生や師匠の前座にもメリットとデメリットがあります。師の威厳や作風の傘の中でやるということは、おのずと客が師に似たものを求めるわけですから、本人も知らずと師に似ていくことを上達と思うということです。日本の多くの学ばせ方は、向こうのもの…

Q.ヴォイトレは、トレーナーによってかなり違うのですか。

A.ヴォイストレーニングについては、考え方もやり方も狙いも、指導しているトレーナーの出自や専門もそれぞれに違います。劇団などでは大声トレーニングをせりふで言うことから声を鍛え、アナウンサーやナレーターの学校では、発音・滑舌トレーニングから…

Q.トレーナーがつくときの最大の問題とは。

A.どうしても積み上げ式で10、20、30…50、80パーセントとしてしまいがちなことです。しかし、計算で進めていくのではブレイクスルーできないのです。(♭)

Q.よい声のトレーナーがよいのですか。

A.若くして、あるいは少しのレッスンで、よい声や高い声が出るようになった人は、そうでない人に対して、あまり育てることはうまくないのです。そうでない人ほどそういうトレーナーをみて、あこがれ、絶対的な信頼をおきます。それがよくないとはいいませ…

Q.トレーナーは得意なことが盲点になるとは。

A.歌のうまい人は歌を、声のよい人は声を教えられないということです。他では考えられないような、ヴォイトレ特有の盲点があります。それは、声がその発声器官とともに体の中に入っており、しかも、生まれた頃から元も一人ひとり違うし、育ちによっても大…

Q.ヴォイストレーナーについて、多角的な視点をもつには。

A.トレーナーにもやり方、判断、それぞれにクセがあります。判断の仕方や歌の評価もかなり違うのです。好き嫌いも相性もあるでしょう。私は10人近いトレーナーと、いつも生徒の評価をつけながら、比べることからとても多くを学びました。トレーナーは、一…

Q.声について、自分の判断に自信をもてません。

A.自分の判断を第一に優先できないところに、ヴォイトレの難しさがあるのです。あなたに最高の判断力があるなら、声や歌はあなたの思うように使えているはずです。こと声に関しては、うまくいっていないならなおさら以前のあなた(の感覚や判断力)をあま…

Q.トレーナーを使える力をつけるためには、どうすればよいですか。

A.いろんなトレーナーにつくこと、そこから自分を知ることです。とても有意義なのは複数の観点をもてること、歌と声を別々に教えてもらうことでもよいし、声を2,3人のトレーナーに教えてもらうこともよいことです。 しっかりしたトレーニングをしたら、…

Q.複数のトレーナーにつくとよいはなぜですか。

A.一人のアーティストの作品しか聞かないと必ず、自分の歌が丸々と影響を受けていて、それがどうことなのかさえわからなくなるし、まねしていなくとも自ずとついたクセが抜けないというのと似ています。(♭)

Q.ヴォイストレーナーは、何をみるのですか。

A.その人ののど、体、性格などからその人の楽器に合った声を伸ばしていくことになります。それがバイオリンかビオラかによって、やはり根本で共通するものと異なるものがあります。体、呼吸、発声のベースあたりは共通です。しかし、音色やフレーズあたり…

Q.一流の歌手や役者、それを育てたトレーナーにつきたい。

A.そういった方法やマニュアルでさえ、あなたの声に合っているかどうかを考えたとき、必ずしもベストのものとはいえないケースもあります。つまり、試行錯誤を繰り返し、自分自身で判断し、決める力をつけるために、人に就いて学ぶ、と考えた方がよいと私…