発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.歌う際に肋骨は重要なのですか。

A.肋骨の間には内肋間筋と外肋間筋という筋肉がついています。主に前者は吐くときに使われ、後者は息を吸うときに胸郭を広げるのに使われます。その下部のほうには横隔膜がついています。肋骨をしっかり広げることは、呼吸のトレーニングには必須の要素に…

Q.コンコーネ50の9番の歌い方について教えてください。

A.コンコーネは練習曲なので、歌いやすさ、親しみやすさとは、真逆のメロディー・フレーズになっていることが少なくありません。これは3拍子のゆったりと歌う曲です。 全部で32小節ですが、24小節で休符にフェルマータが付き、一区切りした後に8小節が続い…

Q.1曲を練習するとき、どの段階で仕上げ、終わりと捉えるのでしょうか。

A.その1曲を練習する目的によって、捉え方は人それぞれにあると思います。たとえば、コンコーネのような練習曲の場合、その曲の課題となることができるようになればよいと捉える人もいれば、階名で歌うとできても母音アで歌うと力みが入るのでまだ終えら…

Q.低い声を育てたいので、発声も低音域を中心にレッスンしてもらえますか。

A.しっかりとご自身の意志を持ち、積極的に取り組まれる姿勢はよいですね。そのご希望はなるべく考慮したいと思います。しかし、音域を固定し過ぎるのは、あまりお勧めしません。声が低い人は、高音域までトレーニングすることで、低音域も充実していきま…

Q.客観的に認知はできるのですか。

A.幼いままのものの見方がずっと残っていることが少なくありません。感じないようにするのでなく、感じるようにする、そしてそれをよく認知することです。 そのときに、何らかの因果関係を先入観で持ち出さないことが難しいのです。 レッスンなら、「キャ…

Q.認知と想像力の違いはどのようなものですか。

A.相手の本当の感情に気づいて、受け取ったり許したりするには、想像力がいります。事実がわからなくとも想像はできます。 認知の仕方で、悪いくせもつきます。それは、考え方だけでなく、現実に投影されます。体にも行動にも出ます。声、ことば、歌にも出…

Q.ものの捉え方を教えてください。

A.「~すべき」「~でなくてはいけない」と思ったときは、「~かもしれない」とか、「~でもよい」としてみましょう。しっかりと見立てをします。 みえるもの、みえないもの、みたいもの、みたくないものがあります。思いにも、思いたいこと、思いたくない…

Q.物事の認知の捉え方に、うまくいかない問題がある気がします。

A.認知のレベルを上げていくことです。事実と意見を分けてみましょう。意見には感情や想像が入ってしまうからです。 最良の提案のつもりが最悪の思い込みに過ぎないこともよくあるのです。([E:#x266F])

Q.広いホールで歌うのが初めてで、歌えるのか想像ができません。

A.初めての経験、初めての場所、であれば無理もありません。たとえ初めての場所でも、今までにどこか他の広いホールで歌った経験があればまた違った感覚になったと思います。誰にでも、どんなベテランにでも、「初めて」の経験はあるものであなただけのこ…

Q.横隔膜はどのくらい動かさないといけないのですか。

A.あなたが何十年も舞台で歌ってきた歌手というわけではないのなら、どのくらいという上限を考える必要はないと思います。それは「相当」「思っている何倍」も動かさなければならないというように定めてみてください。 この道40年最前線で歌ってきたという…

Q.ボディーマッピングという考え方について教えてください。

A.歌のレッスンではだいぶ抽象的な表現や、代替的な言い方で指導されることがあると思います。たとえば、「おなかに息を入れて」これはどういうことかというと、肺にしか息は入らないので、本当は息が入るのは胸のあたりだけなのですが、横隔膜をしっかり…

Q.認知療法とは、どのようなものですか。

A.漠然とした不快、不満、悩みを具体的な問題へと置き換えて、うまくいく形へのアプローチをとれるようにしていくということです。すぐに解決するとは限りません。それでも解決に向けて踏み込むのです。悩みを押し殺すのでなく取り上げて、問題化します。…

Q.認知の変更とは、どのようなことですか。

A.こういう手法は、ヴォイトレにも使われています。どんなレッスンにも、自ずと入っているのです。 起きている現実―今の声、ことば、歌がうまくいっていないとします。辛い、つまらない、焦る、迷う、いやだというのを、うまくいっていないでなく、何がよ…

Q.同じ過ちをくり返してしまいます。

A.どう捉えるかは認知の仕方です。これも、これまでの人生経験で人によって大きく違うのです。感情は、マイナスであっても、それを書き換えることができます。 多くの自己啓発セミナーは、こうした方法を取り入れています。つまり、現実もまた認知の仕方で…

Q.事実と思いは違うのでしょうか。

A.私は、「事実と思いは別だから、区別しなくてはよくない」と教わったことを思い出します。「思い」と言いましたが、それと感情と心をどう分けるかは難しいですが、ここでは、思いとしてまとめます。 ダイエットしたいというときに運動しようと思うけど続…

Q.口をあまり動かさないように言われます。

A.歌のレッスンの際にこのような注意を受けることが私もよくありました。なぜ口を動かさないように注意を受けるのか、ということを考えてみると、口を動かしすぎると母音ごとに響きが変わってしまうからと言えるかと思います。 口をよく動かしながら「あい…

Q.ライブ本番を撮ってもらったビデオを見て、反省することばかりでいつもへこみます。

A.本番後にビデオで確認すると、音声だけでなく、ご自身の身体の動きや歌う体勢なども客観的に見ることができるのでよいですね。反省するのは素晴らしいことです。感じ方は人さまざまですが、みんなそれぞれに反省しているものです。本番は、聴いてくださ…

Q.風邪でもないのに、朝起きると喉が痛くて、午後になると痛みが落ち着いてくるのは何なのでしょうか。

A.私自身も以前に似たような体験があります。高校生の頃ですが、特に秋冬は朝起きると喉の痛みが頻繁にあり、同じように午後には痛みが和らいできて、夕方には普通に歌の練習をしていました。受験もあり不安な気持ちになって、耳鼻咽喉科に喉の痛みを相談…

Q.やりたいことを感情が邪魔します。

A.そこで起こったことと、その捉え方は別ものです。何かが起きたことで、心に何かを感じる、つまり、感情が生じたとしても、そこの二つには、かなりの遊離があります。 何かが起こると、それが初めての人は驚きますが、そのことに慣れている人は驚きません…

Q.毎日がつまらない、何かうまくいかない、そういう状況から抜け出せません。

A.自分でないものに動かされている感じ、それは、感情のままに動いてしまう。いや、動けなくなっている自分です。つまり、感情の処理、整理がついていないわけです。 しかし、その状態をよくないと思う感じこそが、気づきの一歩、変革のスタートです。そこ…

Q.声に気をのせるのでしょうか、気に声をのせるのでしょうか。

A.気を意識して捉えると、意識して呼吸に声をのせます。意識とは、意図や思い、心でもあります。棒読みと言うのと同じように、棒声とでも言いたい声があります。ボーッとした顔のようなものをヌケといいます。([E:#x266F])

Q.本来の声というのは、ありますか。

A.何をもって本来というかでしょう。本物の声、しぜんな声、ナチュラルヴォイス、本当の声などというのは、よく使われています。本当の自分の声、正しい声などとも言いますが、これは、その逆を否定することで成り立たせていると考えると少しははっきりと…

Q.目を閉じると集中して歌えるので、自主練ではいつも目を閉じて歌っています。

A.集中して歌えるという感覚に持っていけているのはよいことですし、実際にレッスンでもトレーニングの種類によっては目を閉じて行うこともあります。 練習時に目を閉じて歌うのもダメではないのですが、「いつも」行っていることが気になります。目を閉じ…

Q.レッスンでのトレーニングが本当に効果があるのか、まだ実感が持てずよくわかりません。

A.基本的にはトレーニングは継続して行うものであり、続けていく中で少しずつ変化が出てきて、あるとき効果を実感するのです。すぐに実感を持てないという状態は、想定内のことです。焦ることなく、しっかりとそのトレーニングに取り組んでもらいたいと思…

Q. シニアになると声が出なくなっていくのでしょうか。

A.年齢を重ねていくと、筋肉の衰えと共に身体の支えが弱くなったり、吐く息が弱くなったりといった変化が、声が出にくくなると感じる大きな理由だと思います。シニアになったら誰もが声が出にくくなる、ということでは決してありません。(シニアになって…

Q.ドクターショッピングとは何でしょうか。

A.心理的、精神的なものは、神経質、ストレス、不調、不定愁訴といったものです。これは、心療内科や精神科が専門の分野といえますが、そこは抗不安薬や安定剤の処方となります。こうした不毛なドクターショッピングをしている人は少なくありません。しか…

Q.切り込みと余韻とは、どのようなものですか。

A.「日本人は、衝撃音を嫌う」ということを、「木で鐘をつき、シンバルのように金属に金属でぶつけない」という例で出されています。(傳田文夫) そして、英語などは早めに切り出し、danのaにメトロノームを合わせるように指導されています。立ち上げを前の…

Q.耳をつくるには、どうしたらよいですか。

A.欧米語では母音を流すが、日本人は流さずに拍とします。音が違って聞こえる体験が、耳をつくる語学学習でも必要です。クリアにみえる、捉えられるようになるのです。 自分だけに聞こえるようになったという感覚があることが大切です。([E:#x266F])

Q.音楽の土着性とは、どのようなことでしょうか。

A.音楽の普遍性は、国を超えることも超えないこともあります。歌は、ことばがつくから、なおさら限度があります。 その風土から生まれたものには、そこで育った人しか好きになれないものもあります。また、国を超えたといっても、その母国民と同じように聞…

Q.見本を示していただいても、どの音がいいかがわからないです。

A.ある著名なイタリア人の歌手が使う用語に「声の教養」(もしくは「声の知性」と訳したほうがわかりやすいかもしれませんが)という言葉があります。いくら教えられても、何も知識がないところにこの音がいい、この音は悪いという判断基準がないと、教え…