発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1464.歌バカになることは、よくないですか。

A.よく歌い手の世界では、「あの人って歌バカね~」なんて皮肉を込めていうことがあります。その皮肉の中には、歌しか知らないとか、単細胞とかいう意味が込められているのでしょう。しかし、どのジャンルでも一線を越えて成功した歌い手は、決してバカ(無知)なわけではありません。バカに見えたとしても、バカに見せているだけで、それはステージ上で弾けることを知っているわけで、歌の知識も勿論あります。光があたればあたるほど、影もできるものです。有名な人たちが辛いエピソードを持っていることも少なくありませんね。それでも、彼らは歌に没頭する力を持ち、お客様にオーラを放つことができる。それは頭と気持ちを切り替える術を知っているからです。
 なので、本当にバカな(無知な)歌い手になるということではなく、良い意味で歌バカになるということ、つまり「歌うときは歌う」と切り替えることを知っている歌バカになるという意味です。そのためには、そのときの精神状態、自分が今までこれだけのことをしてきたというプライドや、色々な人の意見に左右されること、など「邪念」を捨てる必要があります。(♯Θ)