発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.音大生の歌唱をどうみますか。彼らにみる感覚と体づくりについては。

A.日本の音楽大学は、日本の近代歌唱の入り口となりました。体や感覚を国際的なレベルまで持っていく努力をして、発声をマスターしていくための実験としても、音大生が貢献したのは事実です。彼らが日本語での歌唱は難しくても、イタリア語の作品の方が声域、声量ともに楽に歌えるともいうのですから、そこに声づくりのベースをおくのは、一理あるのです。

日本人のオペラ歌手も、日本語での歌唱を原語よりも苦手としています。ヨーロッパではよく声が響くのに、湿潤な日本では、のどの調子を壊しやすいのも周知のことです。このあたりは木製楽器の管理の難しさとも似ています。

音声、楽器演奏面からアプローチするのなら、留学が一番ですが、その代用としてイタリア歌曲を使っています。(♭)