A.鼻でないと吸えないと、ことばで思っている人が多いだけで、実際に歌になったとき、鼻だけで吸うかといったら、そんなことでもないわけです。体が動いたら息が入るということです。鼻から入るか口から入るかなどは、どうでもよいことです。吐いていたら入るわけです。体内の呼気圧が低くなり、空気が吸い込まれる。息も口も両方、開いているからしぜんと入る、鼻からばかり吸っていたら鼻がつまったり、風邪のとき、どうしましょうか。歌えなくなります。
ここにキャリア20年のプロの民謡歌手がいたのですが、先生から「鼻で吸って口から吸ってはいけない」と教わったのに、よく見たら「やはり先生も口で吸っていました」と言っていました。トレーニングで勧めることと実際が違うことはよくあります。
ことばや話されていることではなく、その端々から感じたことを自分のためにうまく役立てることです。ただし、トレーニングでは、過度にやることがあるので、鼻から吸うことを勧められることもあるようです。(rf)