発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1619.U(ウ)の発音が苦手です。

A.東 敦子 著書「ベルカント・ヴォカリッツィ」より、引用します。
〈口の中の形をあまり変えないで母音を発音することがベルカントでは大切とされています。いわゆる「同じポジションで歌う」ということです。特に日本人の場合はイタリア語やドイツ語の「U(ウ)」が、フランス語の「Y(イユー)」になってしまいます。イタリア人は「Y(イユー)」をとてもいやがります。お腹からの息が「Y(イユー)」と言う時に切れてしまうからです。
 私の恩師、四谷文子先生は、亡きローゼンシュトック氏(N響名誉指揮者/1895-1985)に長年習われ、日本人には珍しく早くから私の「U」の発音を「O」に近く直してくださったのです。しかし今でも気をつけていないとすぐ忘れて、「Y」のような狭い「U」になることがあります。日本語の特質なのでしょうか?確かにそれはあると思います。「U」が「Y」になる人はたいてい口の開け方に問題があり、下顎に力が入っていることがお多いのです。口の中を広く保ち、むしろ「O」の口型で「U」と言うような気持ちで発声してください。〉(♭Σ)