発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1822.声の理想はトレーナーでよいのですか?

A.他の学校のトレーナーが理想にする形では、私はここでは理想にはしていません。
 ミュージカルでは声楽的な歌い方を好みます。声楽をポップスやせりふにアレンジしたやり方です。芸術から考えると、声楽家がソロになったからといって、私の知っているプロデューサーは声をかけないと思います。ということは、すでにそれは体の感覚のところで、優れていても定型のパターンにはまっているのです。若い人は惹かれないし、買わないと思います。その部分は、体、感覚の部分はともかく、声楽という一つの表現形式からくる限界でしょう。
 結果として、日本人は音域を高めにとり、声量を大きくし、レガートで繋げていなければいけない。もちろん、これもヒントにはなります。あるところまでこれを追いかけていくということは、自分の体や声を見るにはわかりやすい。年配の方の前で歌うと評価されるでしょう。しかし、プロになりたい人にはちょっと違う判断の基準が必要になるでしょう。
 つまり、体としてステップを踏んで鍛えていくなら、声楽的なやり方があるということです。そこから、感覚や歌い方になってきたら、あるところで自由な部分を持っておかないと限界がきてしまいます。よいところを合わせればいいのですが、難しい部分もあります。