発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2670.劇団に所属しています。劇団では大きな声を出せといわれ、出しているのですが、のどが疲れやすく、痛めやすいのですが、どうしたらいいのでしょうか。

A.新人に対しては「大きな声を出せ」と指導している劇団もあると思います。これには意味がありまして、目的は大きな声を出すことではなく、大きな声を出すことで気持ちを大きく、気持ちを外に出したいという意図があるのです。したがってがむしゃらに大きな声を出すのではなく、気持ちを込めて大きな声を出していきましょう。気持ちが乗っていることで、のども痛めにくくなります。
また日頃から、のどのケアが大事です。まず稽古に入る前のウォーミングアップはとても大切なことです。ウォーミングアップなしで、そのまま稽古に入ってしまったのでは、のどへの負担はとても大きくなります。まず体を起こすためにストレッチをします。充分に息を吐きながら、ゆっくりとストレッチをしていきます。それと並行して呼吸法も行なっていきます。ゆったりとした呼吸を、ストレッチと共に続けながら、徐々に強い息を吐いていきます。強い息を吐くことで、のどを使わないで、声を出している状態が再現できるのです。強く息を吐くことで、呼吸器官を起こしていきます。その後、小さめな声から始まり、徐々に声を大きくして発声練習をしていきます。
このように稽古で第一声を出す前にこれだけの準備をするのです。これだけの準備をしても、のどは疲れやすく、痛めやすいものなのです。
加えて、のど飴をなめたり、うがいを定期的に行なったり、稽古後のクールダウンもしっかり行なっていきましょう。