A.確かにレッスン中にあくびをするよう指導することはよくあります。軟口蓋が下がったまま歌っていたり、下あごに力を入れて声を出しているときに、それを回避する為にこのように言うことがあります。あくびをする事の利点として、軟口蓋が上がる、表情筋のストレッチができる、口腔内の空間を感じやすくなる、後頭部の筋肉のストレッチが意識できるなど様々ありますが、問題なのは、あくびの仕方です。発声に難しさを感じている方の多くが、あくびの仕方に特徴があり、下あごがガクッと大きく出て、首が前に出るような感じになる傾向があるように思います。なので、効果が感じられないという場合、あくびの仕方がそもそもトレーナーの意図していることと異なっているのかもしれません。
もちろんこれも、信頼のできるトレーナーにチェックしてもらうことをお勧めしますが、頬の筋肉が程よく上がり、首の位置が変わらず(むしろ少しうなじの辺りが引っ張られるような感じ)、下あご、下あごの下の筋肉に余計な力が入っていないあくびを目指して欲しいのです。お花畑で良い匂いをかいで、リラックスするようなハッピーなあくびです。疲れがたまって、全ての筋肉が下がり倒しているあくびではありません。これをやりながら歌うことが出来れば、声もだいぶ変わっていきますよ。(♯Ж)