発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4368.ヴォイストレーニングはどのような認識で行うべきでしょう

.ヴォイストレーニングをやっているという人ほど、声を自然に扱えていないケースは多々あります。その原因の一つは「トレーニング」という言葉にあるようにも思います。トレーニングというと、鍛えると思っている人が多いですが、語源はトレイン、つまり列車からきています。列車が敷かれているレールの上を目的地に向って導く、ということがトレーニングであり、なにも鍛えるだけのことをトレーニングというわけではありません。

ヴォイストレーニングを「鍛える」という単純な認識だけでおこなうとどうなるか、です。声帯を操る筋肉群は、とても複雑な構造になっています。そこを鍛えようとおもってしまうと、殆どのケースが過緊張状態に陥り、声帯を操るどころか逆に運動できない状態まで追いやってしまうことになります。声帯周辺の筋肉は、理にかなった運動に導いてあげれば、声を出すと言う行為のみで「鍛えられる」ことができます。また、とてもデリケートな筋肉であるため、精神状態が筋肉に与える影響は他の筋肉以上に過敏だということも抑えておいてください。

ヴォイストレーニングとは、本来自然に動くべき筋肉に正しい動きを覚え込ませることが第一段階、動きを覚えたらそれが崩れないようにメンテナンスをし続けるのが第二段階、という認識でとりくみましょう。(♭∀)☆