A.人によっては目で見ていれば覚えるという人もいらっしゃいますが、私は実際に声に出して歌って、何度も繰り返してやっと少しずつ覚えていくタイプの人間なので、唇や舌、頭すべてが何もしなくても歌詞が出てくるところまで持っていかないと不安になってしまいます。
歌詞の不安定な箇所というのは結果として声も不安定なことが多く暗譜に意識を持っていかれ、表現や声といった一番大事な部分がおろそかになってしまうことも多いので、個人練習のほとんどを暗譜に費やしてしまう日も少なくありません。
しかし、不安な状態でお客様の前に出すわけにはいかないので必死にやります。それこそ朝から夜中まで歌っている日もあります。 特にミュージカルやオペラといった舞台は本番に間に合えばいいというわけもなく、稽古段階で自分の中である程度、仕上げてこなければいけないので、稽古に入るまでの自分の練習でその後の稽古の進行状況が変わってきます。他の共演者に迷惑がかかることも多々あるので責任は重大です。本番だけではなく稽古でも不安のない状態で望みたいものですね。(♭Σ)