A.声を直すのと声をよくするのとは、本当は異なることです。また、声をよくすると、芝居のせりふ、歌い手の歌をよくするとも異なります。声を治すのは、医者の役割でした。喉を壊したのを元に戻す、器質的な障害への外科的なアプローチに近いものは有効でしょう。事実、声帯ポリープの除去手術などには、医療は成果を上げてきました。
元より声の出ない人、出にくい人は、医療で治すものではありません。機能的なもの、心身に原因のあるものなら、薬も手術も、本当のことをいうと、ありません。
1キロ歩くと疲れてしまう人が10キロ走りたいと医者に行っても仕方ないのです。しかし、声、喉についてはそう考える人も出てきたわけです。喉だけをみても説明できないことは多いのです。(♯)