発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.どういう曲を練習に使えばよいでしょうか。

A.あえて異なるジャンルの歌で練習する。

 練習のお手本にすべき歌としては、あまりテクニックや音響効果が入っていない、ストレートに声だけで歌っているものの方がよいでしょう。「声のデッサン」が見えやすいからです。その意味では、生の声として分かりやすく、音響加工の少ない195070年辺りの作品がお勧めです。

 さらに、意図的に自分とは違うジャンルや違うスタイルのボーカリストの作品を聴いてみましょう。歌詞や曲が古いとか合わないとかを抜きにして、声と歌のフレーズのみで評価してみてください。一流のオペラも、声の可能性として大変参考になります。カンツォーネナポリターナ、シャンソン、ラテンなども、発声・リズム・表現を含めた材料としてはお勧めです。

 大切なのは、歌の中で音楽として成立する共通の要素を学ぶことと、それをあなたの体の原理に基づいた中心の声で展開させる、声のデッサンを考えることです。(♭)