A.多くの人は、高音の発声を口先でつくりすぎているため、そこから中間音や低音におりてきても、うまく声になりません。それに対し、このトレーニングは、高低とも同じ音色で統一しようとする発声なのです。まずは、体の支えのなさが突きつけられるべきです。それゆえ、体ができたときにはリラックスして声を出せるようになります。そして、きれいに一本の線におさまるのです。体の力、息の力で、声を調整しているからです。そうでなくては、1オクターブであっても、本当に自由に使いこなして表現することはできません。体の感覚に心を傾けていると、そこに深さがみえてきます。仮に、声域と声量を二次元の二軸にとりますと、声の深さは三次元となるでしょう。声の深さとしぜんなひびきが、歌に躍動感やその人の持ち味を加えます。(♭)