発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.歌うのに喉もお腹も使うな、と言われました。☆☆

A.喉で歌うと言うことでしたら、事実(声帯は、喉頭の中にあり、発声はその動きによる)ですが、歌唱時は、使うのでなく使われていなくていけないのですから、その通りです。

どうしてそうなるかというと、トレーニングで、早く強く効率的にしていくためのふしぜん、部分的に意識して使うことで、歌という応用、本番で全体的、統一的に、しぜんに、使わずにできていることを妨げてしまうからです。

例えば、トレーニングでお腹に力を入れたり腹筋を鍛えているのはどうかということなら、必要ない人には不必要で、必要な人には必要なこととなります。これをそれは歌と関係ないとか、歌うのを邪魔するから、やってはいけないなどと言うのは極論です。あたかもトレーニングは、歌っているだけで、しぜんとうまくなるという理想論の中で語っているにすぎません。その条件をもっている人なら、しぜんとできていることをもっていない、足りていない、余裕がない人では、補うこと=トレーニングなのです。

つまり私がいつも述べているバランス、調整をトレーニング、その使い方をレッスンと言っているとしたら、それはカラオケレベルの目的なのです。(とはいえ、プロ歌手の声や歌がカラオケレベルになってきたから、若いトレーナーがそうなるのも時代とニーズに合っているので、これも年寄りの迷い言となりつつある)ちなみに、その大半は、音感、リズム感のよさと高音ファルセット、ミックスヴォイスで、幼い、細い、弱い声の人たちです。

トランペットの渡辺貞夫氏は、81歳、「楽に鳴るのは、あまりおもしろくない」と言っていました。(♯)