A.喉で歌うと言うことでしたら、事実(声帯は、喉頭の中にあり、発声はその動きによる)ですが、歌唱時は、使うのでなく使われていなくていけないのですから、その通りです。
どうしてそうなるかというと、トレーニングで、早く強く効率的にしていくためのふしぜん、部分的に意識して使うことで、歌という応用、本番で全体的、統一的に、しぜんに、使わずにできていることを妨げてしまうからです。
例えば、トレーニングでお腹に力を入れたり腹筋を鍛えているのはどうかということなら、必要ない人には不必要で、必要な人には必要なこととなります。これをそれは歌と関係ないとか、歌うのを邪魔するから、やってはいけないなどと言うのは極論です。あたかもトレーニングは、歌っているだけで、しぜんとうまくなるという理想論の中で語っているにすぎません。その条件をもっている人なら、しぜんとできていることをもっていない、足りていない、余裕がない人では、補うこと=トレーニングなのです。
つまり私がいつも述べているバランス、調整をトレーニング、その使い方をレッスンと言っているとしたら、それはカラオケレベルの目的なのです。(とはいえ、プロ歌手の声や歌がカラオケレベルになってきたから、若いトレーナーがそうなるのも時代とニーズに合っているので、これも年寄りの迷い言となりつつある)ちなみに、その大半は、音感、リズム感のよさと高音ファルセット、ミックスヴォイスで、幼い、細い、弱い声の人たちです。
トランペットの渡辺貞夫氏は、81歳、「楽に鳴るのは、あまりおもしろくない」と言っていました。(♯)