発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.リラックスのレベルアップ法を教えてください。

A.できないことをできるようにするトレーニングでは、2つのことが相反する、厳密に言うと2つ以上のことが含まれているのですが、そのとき、どんなメニュも、どれかを優先し、どれかを犠牲、あるいは無視しているのです。

リラックスにもレベルがあります。少しずつでもリラックスできているのは、そうでないよりもよいことゆえによしとする、それは、やむをえないことです。呼吸も発声もリラックスしながらすることを理想としながら、ただ、リラックスリラックスとあたりまえのように言われているとしたら、それは少し異なるのです。

リラックスしてやればよいのではありません。バッティングセンターで150キロの球に、リラックスして構えていたらかすりもしなくなります。目を慣れさせバントからやるとか、素振りを目一杯やってから筋トレをやるとか、リラックスよりも相当の実力を補わない限り、対応できません。

歌やせりふはスポーツではないという人もいますが、肉体芸術、肉体芸として私はみています。目的にトレーニングしたプロの声を想定しています。これは、聞いてすぐわかるというよりも、タフで繊細なコントロールができるということでもよいでしょう。

そういうものを認めない人には必要ありません。ですから、トレーニングとは何なのか、リラックスとは、実力をつけるとは、それぞれの自分なりの定義や関係から考えることです。多くのレッスンや教材が本当の意味でほとんど役立たないのは、リラックスだけに頼っているからです。(♯)