発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.ある時は、口蓋を上げるように、口角を上げるように言われますが、ある時は、やりすぎないでと言われます。どちらが正しいのでしょうか。

.同じトレーナーであっても言うことが真逆のことがあります。

aという事柄をやってほしくても、大抵の人は、aのみならず他の筋肉にも力みを生じさせたり、またやりすぎてしまったために力みが生じてしまったりします。

口蓋を上げるように、とは口の中の空間を広くして共鳴する空間を確保するために言っているのですが、口蓋をあげたために、喉の奥が固まってしまったりしては本末転倒になってしまうのです。力みや固まりを回避するためには、いつも80%ぐらいの気持ちで取り組むのが最初はいいのかもしれないですね。

口角をあげるのも、高い声をだすときには とても役に立つ方法です。口を縦に開けすぎると喉の下のほうに押し込めてしまって高い声には制約を与えてしまいます。花のにおいをかぐかのように、自然に口角をあげて息を吸ってみましょう。

しかし、口角を上げることだけを力みでやってしまうと、両サイドに引きすぎた唇から、喉にまで緊張が伝わり、声帯が出そうとしている声にも悪影響を与えてしまいます。

このように、良しとされている技術でも、やりすぎ、未熟なうちに完全にやろうとすると命取りになってしまいますので、ゆっくり、じっくりやっていく必要があります。(♯β)