A.大昔、集落のできる以前、人は仲間や家畜を呼び寄せるのに、少しでもよく通る低い声を求めました。また、動物を遠ざけるために、低く強い声が必要だったのです。そのために男性の声は、太く低く発達したのでしょう。
たとえば、ライオンのようなネコ科で大きい動物には、舌骨といって舌に骨があり、また、ほっぺたを膨らませて、強く共鳴させることができます。唸り声で、太く力強い声になります。これで仲間のオスに、縄張りを主張するのです。国立民族学博物館の藤井知昭氏は、チベット人の低音感覚の発達は、なだれの危険予知からきたといいます。彼らのラマ教の音楽は、声も楽器も低音が素晴らしいのです。(♭ф)