発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.日本人のスピーチの仕方の参考書に何がありますか。

A.『田中角栄3分間スピーチ』(小林吉弥/光文社)を勧めたいです。元総理、故田中角栄氏の人心掌握術がくまなく描かれています。引用してみると

「ねえ、おつかさん。そうでしょう!」仲間意識で迫る、稚気、茶目っ気のある、角栄氏を彷彿させる。

「野党は…三味線みたいなもんだ」

(百姓の子だから、緊張に対する訓練ができておらず…)ヤマドリを撃っていたようなもんだ」

「みなさん、私も人の子だ…」

「何十万年、何万年の歴史の上に今日がある…」

「クマやトラが出てきても、ジッとがまんしていればいいという人もいるが、そんなバカなことはないッ」

「いったん背骨を抜いた人間に骨を入れ、セメントで補強したようなもんだ」

「こういうことであります」

「…じゃねェですかッ」

「…られるわけはない」

「…では世のなか通らんッ」

「…ということになるんだ!」

「…しなければいかんのです!」

 

なんとも、活字だけでも人間味(=身・実)が伝わってきます。私は一度だけ、生で角栄氏のスピーチを聞きましたが、まさに絶品で、今も脳裡に焼きついています。(Э)