A.口蓋を持ち上げると喉の奥にスペースが確保できて、かつ声帯にも負担が少なくなく、よく響く声を出すことができます。発声の上で基本中の基本として指導されてきたと思います。
しかし日本語で日常生活を送る私たちにとって、口蓋を上げるということは、あまり慣れ親しんだ行為ではないかもしれません。どちらかというと、日本語は口をあまり動かさずに話せてしまい、口の周りの表情筋もそれほど使わないと思います。
ドイツ語を話す人の口を見ていると、日本語話者にとって見たこともないような唇の形をして話していることがわかります。慣れていないことをするがゆえに、首や肩に力が入ってしまうのは無理もありません。
しかし、口蓋を持ち上げるのはあくまでそのあたりの筋肉がやることであって、首や肩まで動員してはいけません。無理せず、口蓋の周りの筋肉だけが動かせるように鏡を見ながら口蓋垂を持ち上げて練習してみましょう。大きな筋肉を大きく動かすというより、小さな筋肉を微細に動かすという感覚かと思います。2週間も続けていれば、体が言うことをきいてくれます。([E:#x266F]β)