発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.個人的な経験の評価の絶対性について、どう考えられますか。

A.「自分が体験してよくなった(悪くなった)のだから、それは、間違いない」というのも、大半は誤解です。何かを行って何かの結果を得ると、人は原因-結果と因果関係に捉えてしまいますが、必ずしもそうではないのです。もっとずっと前にやったことが効いてきたのかもしれないし、とのとき、よくなったという結果の判断が、長い眼で見ると、逆だったいうこともあります。

何よりも「○○ができた」は「でも○○はできなくなった」が隠れていることが、ほとんどなのです。「○○のやり方で高い声に届いた。けれど、今まで出していたしっかりした声が薄まった」など。よくなったようでも、そのために別の可能性が狭まったということもあるのです。評価をどう扱うかが、もっとも難しいことです。