発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1522.声を上げたり前に出すのが苦手です。

A.世の中には、一つの力が成り立つためには実は反対の力が重要である、という力の関係が多いものです。たとえば、私がレッスン内でよく例にあげるのが、エレベーターです。エレベーターが階を上がるためには、重りは下に下がり、下の階に行くためには重りは逆に上に上がりますね。楽器である体も同じです。音が上行するためには、体の中の重心や音の出発点は下がっていき、音が下行するためには上行するように体を使い、体の動きを怠けないこと。
 それから、レッスンで音を前に、前に、と言われることが多いかもしれませんが、前に出すために前にだけ出せばいいものではありません。より前に出すためには、後ろへの引きが大切なのです。声楽においては、それが声帯を閉じて、より多くの響きを生み出すことであります。トレーナーの指示がわからなくなったとき、事の本質はどこにあるのか、ふと考えてみてください。(♯Θ)