A.役者、声優、一般の声の相談などの生徒さん方に接してきてトレーナーとして感じることですが、ことばをかむひとほどやたらと読み方が早いです。しかも表情も、表現も乏しい人がおおいです。何かを表現しようと思ったらそんな早さにはならないと思うところも単純に早くよむことがメインになっていることが多いなと思います。
ここでことばのレッスンが始まったときからトレーナーをしています。
当初は母音をメインに子音のことや50音を中心にレッスンしてきましたがことばのレッスンを続けてきてでた一つのアドヴァイスとして、ことばをかむ人ほどご自分の適切な声の高さで読んでいないことが多いです。高すぎたり低すぎたりもそうですが私の経験上その方の適切な音の高さに導くことによってかつぜつの問題や言葉をかむ問題は解決することが多いです。母音をはっきりすることや声を前にだすというアドヴァイスも散々たくさんの方に言ってきた結果、そのことよりも音の高さが不自然なことが多いというところに落ち着きました。
その観点ができてからはことばのレッスンでの生徒の上達具合も飛躍的に伸びました。でもこれもたくさんの生徒さんたちと接してきたことでみえてきたものなので生徒の皆さんに感謝です。(♭Σ)
A.まずは、おちついてゆっくり話す練習をします。どうしても、かんだり、うまく読めないところは、その言葉にリズムをつけて読んでみたり、アクセントをつけて読んでみるといい練習になります。また、口を閉じたまま、舌を、円をかくように、ゆっくり回してみると、かくぜつがよくなり、かまなくなります。繰り返し、かんでしまう部分を、練習することで克服できます。(♯Ω)
A.ことばをかまないようにするには、口の硬直や舌の硬直、精神的に緊張してかんでしまうなど考えられると思います。日頃、おしゃべりしたり声を出すことが少ない人は、口や舌の筋肉が鈍感になってます。舌根から舌を前後に動かす、左右に動かす、口の中で大きく回すなどして力を抜き、それから早口言葉や、発声の練習をしてみるのはどうでしょう。私自身は、ラ行が苦手でした。ラリルレロの歌詞が歌にある時に、どうしても舌根と口の周りの筋肉がこわばってしまうのです。そうすると、歌う声が口の奥のほうから前に飛ばなくなってしまいました。ですので、先ほど書いた舌根を緩める運動と、口の周りを解す運動をして、歌うときは、逆に口の形を変えずに舌と唇を意識して、ルとロだけを使って発声練習をしました。ルロルロルロルロル~♪と言う風にスケールに合わせて歌って、声の響きのポジションを一定にするように心がけるのです。そうすると、だんだん効率よく舌と唇で発音できるようになりました。同様に、他のサ行やタ行など、子音が破裂音があるものは特に、声を響かせるポジションを一定に保つことを心がけて、早口言葉でも詩の朗読や歌でも練習してみてはいかがでしょうか。(♯Δ)
A.台詞などで言いにくい箇所を読んでいる時もそうなのですが、言葉が上滑りすることで言葉を噛んでしまうことが多いようです。台詞だけではなく、会話においても同じことが言えると思います。言葉よりも気持ちが先走っている時など、よく噛んでしまいます。
もちろん滑舌の練習をすることも大切ですが、落ち着いて自分の言葉を発することです。(♯Λ)
A.頭で思ったこと、目で見たことを話そうとするとき、脳から指令がきても最終的に声を出す口周りの反応が鈍かったり動作が伴わないと、思ってもみない発音が出てしまう、かんでしまうというのが原因のひとつではないと思います。ご自身の話す姿を鏡で観察し、口周りの筋肉を使わな過ぎる人はしっかり動かして発音してみる、口が開いていない人は開けてみる、口角を横に引っ張る癖がある人は脱力するつもりで唇を緩めてみる、または頻繁に目を閉じているので観察すらできない人は瞬きせずに話してみる、など自分で気がつける部分からアプローチしてみてください。まずは”ことばをかんでしまういつもの状態”から脱して、”いつもと違う感覚の中で発声する”ことに身を置くのです。また、別の方法としては例えばサ行が苦手な人は「Sーーーッ」、ラ行が苦手な人は「Lーーーッ」という具合に子音のみの発音で長めに声(無声子音の場合は息)を出す発声練習をしてみてください。苦手な発音を聞き慣れる、発音の形を身体に覚えさせると、少しずつ反応も敏感になっていきます。(♯α)
A.一番いいのはゆっくりしゃべることです。しかしこれを常に意識して習慣化するにはかなりの根気もいります。本気で直そうと意識しない限り習慣化しません。また、かつぜつに悩む方の多くは自分のかつぜつの悪さに過敏になっている方が多いので、人と対面した時や会議などの時に慌ててしゃべってしまうのでゆっくりしゃべろうとする意識を保持できないのでしょう。ゆっくりしゃべる訓練はまさに日常からの根気です。人にどう思われようとマイペースで貫くことです。それにゆっくりしゃべったところで案外他人は気づかないものなのです。
あとは専門的になりますが、「っ」促音、「しゅうかん」長音、「ほほえみ」連母音など言葉の基本を誠実に実行することです。(ことば帖の第一章(2)発音のトレーニング参照)・・・朗読や司会、役者、声優を目指す方には本当に大切なことがかかれてます。
子音発声によほどの問題がない限り、取り立てて意識してほしいことは、一語一語の母音をしっかり鳴らすことでしょう。これだけを意識するだけでだいぶかつぜつの問題は解消されます。無声音は鳴らす必要はありませんが。
「戦場カメラマン」さんくらいゆっくり、そして丁寧に口をあけて母音をならしてあげるのです。母音をしっかり聞かせようと意識すると自然としゃべる速度も遅くなるものです。結果、かつぜつもよくなります。
最後にこれは重要なことですが、ゆっくり丁寧にしゃべろうとすると会話の相手の目を見つめる時間が長くなり相手とのコミュニケーションが深くないます。慌ててしゃべる方は得てしてコミュニケーションが苦手な方が多いので相手との対面自体に恐怖心を覚えるのでしょうが、根気強くこれを続けているとコミュニケーションが楽しくなり、相手のことも自分のこともよちよい方向に理解できりようになると私は経験上思います。身体と心理とは切っても切れないものなのです。(♭Д)
A.基本のトレーニングとして、唇、舌、頬の筋肉を豊かにすることです。これらの筋肉を使わずに喋ろうとすると、言葉が明確に伝わりませんし、もつれたりかんだりしてしまいます。
リップロール、巻き舌の訓練を十分にするとよいでしょう。
また、テキストにある50音交錯表「あいうえお いうえおあ
うえおあい えおあいう
おあいうえ」をわ行まで、しっかり口を動かしてはっきり発音できるようトレーニングすることをおすすめします。
子音をはっきりと発音することも大切です。子音がはっきりすることによって、勢いのある息が肺から出ていきます。すると声帯がピタッと合わさりますから、綺麗な発音になります。
あとは、性格的なものもあるでしょう。早口だったり、せっかちだったりすると、自分の思いと言葉の速さが一致せずにかんでしまったりすると思います。
もし自分がそんな性格だと思ったら、焦らずにゆっくり話すこと、はっきり発音することを日頃から心がけるとよいと思います。
(♯Å)
A.ことばをかんでしまうとき、「舌がよく動かない」ために起こることがあります。「舌」の動きをよくするための幾つかの方法ですが、
・舌全体を上あごにピッタリつけて音を立てて勢いをつえけて離す、舌先だけを上あごにつけて音を立てて離す。
・舌を縦に丸めてストローのような形にする。
・舌を少し出して、前後・左右に動かす。
・舌を思い切り出して、引っ込める。
・巻き舌をする(できる場合のみ)
等の舌の運動をすると動きがスムーズになると思います。また緊張してしまうことも動きがわるくなりますので、緊張を解放して臨んでみてください。(♯μ)
A.ことばをかんでしまう人は、発声に問題があるというよりも性格に問題があるのだと思います。というと、聞こえが悪く感じるかもしれませんが、要はせっかちな性格の人に多いのです。焦ってしまって、ことばが転んでしまうようなことになっているのではないでしょうか。でも、本人には焦っている自覚はないと思いますが。
テンポ感の違い。自分の中でのテンポ感と客観的に聞くテンポ感は違う場合があります。自分の声を録音してみて、普通の速さで読んだり会話したものを聞きなおしてみるといいかもしれません。意外と速く聞こえませんか?せわしなく聞こえませんか?でも、これが普段のあなたの読んだり喋ったりの声のテンポなのです。
改善方法としては、自分がゆっくり過ぎるのではないかと思う速さに落として読んだり会話したりの練習をしてみてください。じれったく感じるかもしれませんが、我慢です。どうでしょうか?まだかんでしまいますか?それでもかんでしまうときは、頭の中で文章がまとまっていないのではないでしょうか?しっかり、内容を把握して喋るようにしてみてください。また、読み物の課題として渡されたものをかんでしまうのであれば、それは練習不足だと思います。しっかり練習してもかんでしまうのであれば、上記の点に注意して練習してみてください。読む練習をしていないのであれば、自分に落としこめるくらいしっかり練習をしましょう。(♭Я)
A.ことばをかんでしまうときに起こっている状況として以下の二点が考えられます。頭の回転が速い方にありがちなのですが、頭で思いついた言葉や考えを発するスピードが速すぎるということ。あともう1つはどうしても舌の位置などで発音し難い組み合わせの言葉のところでかんでしまうということです。
先ず前者から考えてみましょう。頭にとめどなく言いたいことがめぐっても、一呼吸置いて落ち着くこと。そして、一つ一つの言葉を明瞭に発音できるように、聴音法(構音法)を思い出して、舌の先がどこについているか、舌の奥が口蓋に当たっているのかを確認してから言葉を発するようにしてみましょう。例えば、「た」「な」などは舌先が上あごと前歯の裏にあたってから発音されますね。「パ」は上唇と下唇が一度閉じてから音を発しますし、「か」は舌の真ん中辺りが口蓋の奥の方に当たってから発せられます。舌の位置、唇の形状を意識してから言葉を発してみてください。
そして後者ですが、上記の構音法で述べた舌の位置の関係上、もつれやすい音の組み合わせや、かみやすい音の組み合わせというものが存在します。「ハ行」と「サ行」を交互に発音して見ますと、「ハ」の子音は喉の奥で作られる音であるのに対し、「サ」音は前歯の裏で摩擦が起きて発せられる子音です。これを舌や口の形をスムーズに移動させて音を発しなくてはいけません。次に「タ行」と「ナ行」を交互に発音してみましょう。今度は発音する舌の位置が非常に近いため、もつれやすい組み合わせです。「タ」は舌を前歯の裏からはなすときに発音されますね。「ナ」も舌先は同じく前歯の裏についていますが、と同時に鼻に抜かさなければなりません。「タ」の後に「二」と発音する時はどうでしょう?「二」の時は舌は少し広めに口蓋の前の方に接触しています。舌は、口の中で、非常に近い位置で微妙に違う動きをしなければなりません。このように、言葉といえども舌や唇の筋肉がスムーズに動いて言葉を発するようにするためには、筋トレのように発音のトレーニングも必須になるわけです。(♯ё)
A.ことばをかんでしまうというときに起こっているのは、言葉を頭の中で読んでいるスピードと、言葉を外に発するスピードが一致していないことが考えられます。
まずゆっくり読むことから始めていただきたいのですが、その際に構音法を意識していただくと、より発音が頭の中で整理されてくると思います。
構音法とは、発音の際の舌の位置、下あご、上あご、鼻腔などを調整して音を発する仕組みののことをいい、調音法とも言います。
たとえば「これが」という言葉を例に取りますと「こ」の[k]は舌の真ん中あたりが口蓋に一度くっついて、それが下方向に放されるときに発音されますね。「れ」の[r]は舌先が口蓋の前方を触れながら発音されますね。「が」は鼻濁音で、舌の真ん中が口蓋に触れつつ、息は鼻に抜けながら発せられます。言葉を発するときに、必ず、舌や口蓋などの発音器官で作られていることがわかると思います。かんでしまう文章をこの方法で、舌の位置などを確認しながら一度捕らえなおして読んでみてください。
基礎練習としては研究所発行の「声とことばのトレーニング帖」P27の「50音口慣らしのトレーニング」で続けて言いにくい「ハサハシハスハセハソ」や「タナタニタヌタネタノ」などを練習してみてください。(♯ё)