発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2624.話し声の活用で歌うのですか。

A.声楽の世界では、よく、話し声もレッスンの時と同じように、発声を意識して出しなさいと言われたりします。(流派によってですが…)
私も初心者の頃は、よくそうしたものです。そうすることによって、話し声が普通の人とは違う、いかにも声楽を勉強していますという風情になり、少し得意気になったりもします。
 確かに効果も有り、フォームを作る筋肉が慣れ、強くもなりやすいのです。ただし、話し声というのは、80%くらいは中音域しか使いません。そのために、中音域ばかりフォームが固まり、低音域と高音域がそれに比べて未開発に近い状態で放置されることになりやすいのです。そうなると、ひどい場合には、音域そのものが狭くなってしまうこともあるので、要注意です。
時々、生徒さんにも「話し声も、トレーニングの時のように注意して出したほうが良いでしょうか。」と、聞かれます。
「あまり気にせずに。」と、答えることが多いのですが、やはり、狭くなってしまった音域を、元に戻すことほど大変なことは無いので、そう答えるようにしています。しかし、そのことをしっかりと念頭に置いて、なるべく高音域も低音域も話し声で使うようにするならば、話し声をトレーニングとして活用するのは、なかなか便利な方法です。(♭Ξ)