A.その場で事細かに教えて、その場で吸収できてしまえばよいのですが、なかなかそうはいきません。身につけるためには時間がかかるのです。ですから、もちろん事細かに説明することもあるのですが、できるだけ頭ではなくて、体が覚えていってくれるように指導していきます。
また事細かに説明することというのは、書籍などを読めば書いてあることだったりします。ですからレッスン内ではそういうことではなく、もっと創造的に感じることを優先させていけたらと思うのです。その場でしか感じられないこと、その時間で何を感じ、その場をどう支配できたのか。また表現として精一杯のものを出すことができたのか。そういったことをレッスンにおいては出していってほしいと思うのです。集中した緊張感のあるレッスンでしか得られないことや発見したこと、そういったものが自分の中に溜まっていき、自分の財産になっていくのです。
ですからレッスンは録音しておき、説明等は後でじっくり聞き返すことをお勧めします。レッスン内では、いかに集中して、自分のテンションを上げ、自分を表現していくかということに集中していくことです。
レッスン内では、想像力を働かせること、集中力を深めること、テンションを上げること、そういったことを大事にしてほしいと思います。レッスン後には、冷静に今後の課題や反省点を見つけ出し、次のレッスンに向けてのメニュ作りをしたり、レッスンに関連した書籍を読んでみたり、またセリフや歌詞を読み込んで客観的に内容を把握してみたり、ということが大事になります。どちらもレッスンに対しては必要なことですが、使い分けていければ理想です。レッスン中に冷静になりすぎてしまったり、レッスン外で闇雲に練習をしてしまったりということがないようにしたいものです。
またレッスンは教えてもらうものではなく、自らでつかみ取り、発見していく場なんだと強く心に留めておいてほしいと思います。