発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3456.息の吸い方についてアドバイスをください。

A.息を深く取り入れることができないと、声は前傾してしまい支えを失ってしまいます。息を吸うときは胸郭を開いた状態をキープしたまま横隔膜を下に膨らませるような感じで息を吸い下ろしましょう。ゆっくりと息を吸い、はじめは4段階で息を入れていく練習をしてみてください。

1.みぞおち 

2.みぞおちからやや下の肋骨付近

3.わき腹

4.腰の後ろ側

このように4つ数えながら最後に腰まで吸い下ろすように息を吸い込みます。腰の後ろ側に空気の袋があるようなつもりで膨らましてみてください。腰の後ろ側に空気を入れる、とよく表現されますがどういうことでしょうか?横隔膜は水平な膜ではなく、みぞおちの辺りからカーブを描いて背中側に落ちていくような形をしています。つまり横隔膜は背筋の近くにつながるようにして坂を降りる形になっているのです。ですので、深く呼吸を取ろうとすると背筋を腰の辺りに引っ張り込むような動作が必要になってくる、というわけです。これは歌う際に重要なポイントで「腰で支える」「背筋で歌う」と表現されます。これが不十分だと、腹筋を固めて腹筋で息をコントロールしようとしてしまい、一時的に大きな声が出せても持久力がなく喉に相当負担のかかる歌い方となってしまいます。