発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3718.発声のときの母音とそれを使う理由(2)

A.母音は、口の中の顎、舌の形によって形成します。五個のそれぞれの母音には特徴がありますが、3つのグループに分かれ、ウとオ、イとエ、ア、という風に大きく括る事ができると思います。つまり、オはウの母音ができればあとは微調整するだけで容易に作ることができ、エはイを微調整すれば容易に作ることができるので、グループを3つとできるのです。

ウの母音は、唇に適度な緊張を作り、口の最後の表面積を狭くすることから、息の流れを作ることに適しています。喉が締まる感覚のある人は、ウを特に練習して息を喉より上にも通過する感覚を養う必要があります。

ただし、ウの母音にはデメリットがあり、こればかりに固執すると口の中より上に息を運ぶのが難しく、頭蓋骨への声の響きが不充分になるケースがあります。ので、その対処法として、舌の表面を持ち上げて発音するイの母音を練習する必要があります。イの母音は響きを集めやすく、響きが拡散する人にはとても適している母音です。

ウとイがうまく発音できるようになると、一番難しく感じる母音はアになってくると思います。アの母音は、口の出口や舌の形が開き、喉にかかりやすい母音です。ウとイの母音のアプローチから、なるべく開きすぎないバランスを自分で開拓する必要があります。

♭∀