発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.歌に役立つよう筋トレをしています。特に鍛えると効果的な部分はどこですか。

A. 筋トレと聞くと、どうしても激しい動きを想像してしまいます。息が上がるような動きや息を止めてしまうものなど、動きの程度によっては逆効果になってしまう場合もあります。なぜなら、「歌うための身体」は運動するときの身体とは違う動きをするからで…

Q.リップロールを練習すると首の後ろが痛くなります。やり方がよくないのでしょうか。

A. リップロールはさまざまな効果があるのでよく使われる練習方法のひとつです。特に歌う人にとっては、息の流れを促す、口まわりの緊張を緩める、音域の行き来をしやすくする等の効果が期待できます。緊張を緩めたいのに、その練習によって痛みが出る程の…

Q.声によくない飲食物はありますか。

A. 食べものに関しては諸説ありますが、大して気にすることはないでしょう。辛すぎるものや刺激の強いものなどはよくないという人もいます。私自身は、声を出す直前でなければ、あまり関係ないと思っています。声帯に直接、飲食物はふれないのに、おかしな…

Q.イタリア語にはまったく馴染みがありません。不慣れな発音が足を引っ張るなら、カンツォーネの曲をやらない方がいいと思うのですが。

A. イタリア語に馴染みがあってもなくても、歌の練習にはさほど関係ありません。不慣れであれば、その分だけ発音の練習をすればいいのです。歌えないと感じるのはイタリア語のせいではなく、まだ発音の練習が足りていないだけだと思います。ちなみにイタリ…

Q.ヴォイストレーニングで、うまく歌えなくなることはないのですか。

A. 目的や期間、プロセスにもよりますが、歌うことの向上が目的なら、そうはならないでしょう。たまに、喉を締めさせたり、お腹の呼吸が使えない、身体で歌えないようになるケースがあるようなので、そこは要注意です。 ただし、急げば、バランスを崩すし、…

Q.より高くするには、どんどんと、頭の上にあてていくのでしょうか。

A. そういうイメージを使う人もいます。より重要なことは、その声自体がきちんと確実に伝わるものとして、魅力的な声として発展していくかということです。 その点で、日本のヴォイストレーニングは、単にその音の高さに届けばよしとしているのが、あまりに…

Q.共鳴を当てるところは、実在するのでしょうか。

A. 共鳴点が実在するのではありません。指導で、共通していることは、何らかの言葉で、何らかのイメージを浮かべ、共鳴をコントロールしやすくすることです。単に、声を出すだけに留めないということです。 レッスンでは、言葉を使わないで、ピアノに合わせ…

Q.どこに当てると本当にうまく響くのでしょうか。☆

A. 共鳴腔を説明するとか、頭のてっぺんや前に飛ばすとかいう人もいます。眉間とか頬骨、額にあてるという人もいます。前歯とか唇とか10メーター前とか、いろんな指導がなされています。 それは、そのトレーナーが教えられたり、自分で出せたときに実感した…

Q.研究所のヴォイストレーニングを声楽をベースにしているのは、声楽の歌い方をめざしているのですか。

A. 声楽家と一緒にやっていますが、オペラ歌手をつくりたくてやっているわけではありません。皆が、オペラ歌手をめざすこともよいことだと思っておりません。あくまで声の勉強としてのことです。オペラ歌手並みに声が使えるところまで、プロセスをおいて、…

Q.ヴォイストレーニングは、誰にでも必要ですか。

A. 私の立場では、ヴォイストレーニングということに関わり、それで効果を上げたいのであれば、そこに対しての向上の目的を持たなくてはもったいないということです。

Q.日本では、歌い手は、プロであれ、アマチュアであれ、自分で思う存分、声が出て、表現できている人は少ないと思いませんか。

A. 声での勝負だけに限らなくてよいと思います。私はYMOの3人の歌がうまいとも声がよいと思いませんが、楽曲は評価しています。その音楽は、世界にも受け入れられています。 もちろん、なんでもトップレベルなら、そのほうがよいですが、組み合わせがトップ…

Q.日本の歌い手は、声が出ないし響かないし、うまくないのが、個性であり魅力でよいと思います。

A. 何を目的とするか、何を才能やオリジナリティとして創作していくかというのは、いろいろあってよいと思います。 ですから、紅白歌合戦もあれでよいと思うところもあります。もう、のど自慢ではなくなったのですから、バラエティーに富んでいます。

Q.どんどんとしっかりした声で使える声域は、広がっていくものですか。

A. そういう人も稀にいますが、個人差も大きいです。大体は、切り替えなくてはうまくいかなくなると思います。 声域の広い歌の場合は、声量を抑えてバランスをうまく取るようにします。 つまり、それぞれの声をしっかり出すということと、なめらかに声域に…

Q.高い声を鍛えていくと高い声が出ますが、低い声が出にくくなりませんか。☆

A. 高い声を使ってばかりいると、高い声を出しやすく、低い声が出にくくなるのは、使い方での違いです。本当に根本的なところで鍛えられているのであれば、それなりの感覚で変えなくてはなりませんが、低いところも、衰えることは、それほどないはずです。

Q.高い音が伸びていくに従い、出しにくい音や発音が多く出てきました。☆

A. それは高い音だけにとらわれて、ともかくも、その音に当てることだけを行ってきたための弊害です。発声そのものが身体の理にかなっていないことが根本的な原因です。 それまでも、それなりにその発声に慣れて癖で固めて克服してきたので、どこまで続けら…

Q.言葉をしっかりというトレーニングをしていると、歌いにくくなりませんか。☆

A. 現実としては、多くの人がそういう問題を抱えています。しっかりいう程度を軽めにするのが、調整法です。 あとは、どちらも鍛えて、切り替え方をつかんでいくことです。 一般的には、よく使う程度の割合で偏って調整されると考えてください。高い声を出…

Q.せりふをしっかりという筋肉も、高い声を出す筋肉も同じなのでしょうか。

A. 声帯を働かせる筋肉は複雑に絡み合っているので、どの筋肉の働きというように知識では区分しても、限定して、その働きだけを鍛えるようなことは、筋トレのようには簡単にできません。あくまで総合的に鍛えていくのです。

Q.歌ってばかりいたら喉を痛めるのに、ヴォイストレーニングをしたらさらに回復しないとなりませんか。☆

A. ヴォイストレーニングをしているから痛めない、痛めても早く回復するというように、目的、メニュをセットすればよいのです。 もっとベースのトレーニングでいうと、毎日、筋トレや走り込みをしているから、喉を痛めないというプロ歌手もたくさんいます。

Q.ヴォイストレーニングは、共通のメニュが確定していないし、トレーナーによってもさまざまなので、実際に役立たないことをやっている場合もあるのではないでしょうか。☆

A. 歌うのに、必要ないことでも、全体のバランスを取るような歌唱時には得られないようなことを、意識的に部分的に集中して行うことによって、補うためにあると思います。

Q.歌うのに、必要な筋肉は歌っていることでしか得られず、ヴォイストレーニングは、そのために役立たない不要な筋肉をつけるのではないでしょうか。☆

A. ボディービルダーの筋肉は、見た目はよいが、スポーツには役立たないみたいなことを言いたいのだと思います。 しかし、スポーツで考えるのであれば、どのスポーツでも、基礎的なメニュというのは、案外と共通しています。ランニング、腕立て、スクワット…

Q.歌うのに必要な筋肉は、歌っているうちにしぜんに育っていくので、わざわざヴォイストレーニングは必要ないのではないでしょうか。

A. 歌を歌える人は歌っているうちに歌えるようになったということが多いし、自然でもあるので、それでよいと思います。 逆にいうと、なぜヴォイストレーニングなどというものが出てきたのかといえば、それでよくない人がいるからです。 たとえば、それでは…

Q.話すことと歌うことと、どちらが喉の発声器官をハードに使うのでしょうか。

A. どのような話なのか、どのような歌なのかによって違ってくると思います。 話し慣れている人は歌うときにハードに感じるでしょうし、軽くやわらかく歌っている人は、しっかりとせりふをいうときにハードに感じるでしょう。 個人差とか目的とか、話すとき…

Q.声帯を鍛えるというのでなく、声帯まわりの筋肉を鍛えるのではないでしょうか。

A. 言いたいことはわかります。声帯は幕のように触れるだけにみえるからでしょう。鍛えるということは、どのようなことを示すかが、骨格筋などと違うので、わかりにくいところですが、声帯そのものも筋肉です。声帯のまわりの筋肉もですが、声帯そのものも…

Q.本番前には、何も食べない方がよいということでしょうか。

A. レッスンやステージを経験するなかで、自分がどうなのかを知っていってください。 一般的には、お腹が減っている状態はよくありません。 だからといって直前や1時間前に食べても大丈夫かというと、人にもよります。それで目一杯の運動ができるかというこ…

Q.歌う直前で、喉の発声機能そのものに、影響を与えるものは避けるべきということですか。

A. たとえば、熱すぎるものや冷たすぎるもの、辛いものなどは、筋肉に影響を与えかねません。 炭酸飲料なども、ゲップが出やすくなる人にはよくないでしょう。牛乳に弱い人など、本人との相性にもよるでしょう。消化のよくないものも、当然のことながら、直…

Q.唾液を飲み込むときに一瞬、息が止まるのは、どうしてですか。☆

A. そのときには、肺につながる気管と、鼻と口への通路がふさがるからです。そして食道を取り巻く筋肉が緩んで食べたものが食道に落ちていくのです。

Q.食べたものが気管に入らないのは、どうしてですか。

A. 口と喉は、気道の入り口を兼ねています。喉の奥は、鼻ともつながっています。空気が胃に入ってもお腹が張る程度ですが、食物が気道に入ると、細菌ウイルスも、肺に入り肺炎を起こしかねません。これを防ぐために嚥下反射という仕組みがあります。むせて…

Q.よく噛んで食べると、どんなよいことがあるのでしょうか。

A. 何よりも消化によいです。唾液にはデンプンの消化酵素が含まれているので、デンプンの多い食品をよく噛むと、ブドウ糖ができ、甘みが味わえます。ゆっくり何度も噛むことで、満腹中枢を刺激し、太りにくくなります。

Q.どんな食べ物も、発声には影響がないということでしょうか。

A. 刺激が残るものは、避けたほうが無難でしょう。直前に摂るのか、日頃に摂るのか、たまに摂るのかによっても違います。 原則としていえることは、身体によいもの、健康のためによいものは、喉と声のためによいということです。

Q.辛いもの、お酢など、酸味のつよいもの、粉っぽいもの、いがらっぽいもの、冷たいものなどは、声によくないと聞きましたが、本当ですか。

A. 喉によくないというのが、この場合、発声のためによくない、歌ったりせりふをいうためによくないということであれば、必ずしも、当てはまりません。個人差もあります。