A.子音のトレーニングとしての意味は二つあり、個々が苦手な子音を克服するためと、口腔内の息の動きをより自覚して声を育てるため、の二点です。例えば「サ行」で前歯で息を漏らす必要があるところを奥歯でもらしてしまう癖のある人は、ナチュラルな「サ行」に聞こえなくなるためそれを矯正する必要があります。どの子音でどのような癖があるかは人それぞれであるため、自分の弱点である子音を理解して特にその子音を重点的に克服する必要があります。癖が直った時点でそのトレーニングをする必要はなくなりますし、最初から全く癖のない人は①の意味での子音のトレーニングは全く行なう必要がありません。②の意味では、子音を使うことによって声をよりスムーズに外に放出する手助けをするという意味での子音のトレーニングとなります。これは、苦手克服というよりも、より声を磨いていくという目的でとらえてください。特に破裂音に関しては、息の流れが止まっていると良い破裂音は生まれません。破裂音がリラックスした状態でよい音で飛んでいくと、母音にも良い影響を与えます。「カ行」→「タ行」→「バ行」の順で破裂する位置が変わりますが、うまく音が飛んでいかない子音を各自自覚して、練習を行なってみてください。(♭∀)