A.昔の発声では、ブレスの圧力や勢いなどに依存する歌唱技術が昔は特に求められていました。また現在に至るまでこの方法は受け継がれているといっても過言ではありません。19世紀に隆盛を極めたベルカントオペラなどに見られるアリアのカデンツなどを聞くと、ブレス主導による歌唱法で音の分離や高音域の処理が行われているため、ヴォーカリーズの音の間に[H]の発音が聞き取れるのが何よりの証拠です。このようにブレスの働きによって音程や音色などをカバーする発声技術は従来盛んに用いられています。音程一つ上げるにしてもブレスの力によって音程を押し上げていたのが実情だったのです。これらの考え方の根底には息の圧力や勢いによって声をコントロールしようとする理念が存在したためです。(♭∀)