A.ブレスの使い方のみならず声帯の働きを改善する事で更に繊細で変化に満ちた歌唱技術が存在するのではないかと考えるのはあながち間違いではありません。
声帯は側筋、横筋などの働きにより披裂軟骨が回転する事で開閉します。人為的にこれらの開閉を操作するためには、更に喉頭の構造と仕組みについての理解が必要となるでしょう。 喉周辺の構造は、口から咽頭を通って喉頭にさしかかる所で気管と食道に分かれ、それぞれ肺と胃に通じますが、この分かれ道のところに声帯があり、ものを食べたとき声門は閉じて気管へ食べ物が入らぬような仕組みになっています。慌てて水を飲むと咽せるのは声門がしっかり閉じなかったときに気道へ水が入っておこる誤嚥の症状です。
声門が閉じるときはこのように気道に食べ物が入らぬように自動的に閉じられるのを理解すれば、歌う時にしっかり声帯を閉じるためには、唾などを呑み込む動作を応用すれば良いわけで、この事をイメージするだけでも声門閉鎖が人為的に行われるのも事実です。(♭∀)