発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3972.なぜ腹式呼吸がよいといわれるのでしょう

.「声を出す」という行為も、筋肉を働かせることです。つまり、運動をすることになります。ですから、必要な筋肉の運動がなければ声は出ません。よい声を出すためには、それらの筋肉を思うように動かさなくてはならないのです。そのためには、発声に関わる筋肉をいつも動かせるように自由な状態にしてあげなければなりません。ここで胸式の呼吸で声を出すとなると、胸で吸う筋肉と声を出す筋肉が近い位置にあるため、筋肉の連動が起こります。胸で吸うと、胸の筋肉が固くなるのがわかります。同時に声を出す筋肉も固くなってしまいます。これではスムーズな発声はできにくくなります。ですから、声を出す筋肉から遠い位置で肺を動かし空気のやりとりができる腹式呼吸の方が、声を出すためにはよりよいのです。

しかし、あくまでも息が入るのは肺です。お腹のおへその部分を膨らまして息を入れるのが腹式呼吸だと安易に思うと結局深いブレスは達成できません。(♭∀)