発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4400.音程の基礎にあるものの違いについて教えてください。

.私たちの耳は、2つの音の振動数(高さ)が簡単な比になっているほど調和して感じます。複雑な比になっていると、不調和に感じるのです。つまり、音程の比は、とても簡単です。

振動数の比 音程

1:1 完全1度

1:2 完全8度

2:3 完全5度

3:4 完全4度

4:5 長3度

5:6 短3度

3:5 長6度

5:8 短6度

 

2音の振動数比が正確に2:3になっているとき、その2音は“純正な”完全5度にあるといいます。

少し詳しく述べますと、C・Dの2音間の長2度(9/8)と、D・E間の長2度(10/9)は異なります。つまり長2度に2種あります。また、D・A間の5度を計算してみると、振動数比は4027となり、完全5度の3/2とかなり異なります。Cdurの純正音階に調律されたピアノでDdurの曲を演奏しようとすると、主和音からして不協和なひびきになります。Cdurの曲を移調してDdurで演奏しようとしても、正確にはできません。

同様のことはCdurの曲が、それ以外の調に転調しても起こるし、Cdurのなかでも、副三和音を使用するとそうなります。つまり、ある調の音階のために調律した楽器は、他の調の演奏にうまく使えなくなるのです。(♭θ)