A.生まれたときから私たちは他の人の話し声を聞き分けていきます。ことばの単語やことばの文法を習得する以前から私たちは、どの声がどの人のか、どの声がどういう感情をもったときに出るのかを聞き分けていっているわけです。かん高い少年の声、成人した男性のよく響く低い声、カランカランとした若い女性の声、かっぷくのよいおばさんのハスキーな声など、たくさんの声を聞くうちに、声とその声を発する人のイメージとの結びつきができきます。また、同じ人でも、その人との関係やその人の気分によって変わっていく声というものを知っていきます。
そこでおよそ、声だけ聞けば大体は性別がわかり、年齢もある程度判定できるようになります。男女の声は高さや声質が違うし、年齢などは話す速度や抑揚、声の調子などでわかります。誰でもそれなりに、声の判別のための尺度ができているのです。(♭ф)