Q.男性はなぜ男性性の出る、太く、低く、どすの利いた声を使わなくなってきたのでしょう。
A.使わないのでなく、使えなくなってきました。女性が自立して強くなると男性には、より男性らしさを求めるので、海外でのイケメンはマッチョですが、日本では中性的、あるいは女性的ですね。フィギアスケートの羽生結弦さんはその代表、優男優位です。
Q.一流になる条件とは何でしょうか。 A.いろいろあると思いますが、何かができないときに悔しいと強く思い、思わず克服しようとすぐに行動するような神経があるかも、その一つでしょうか。
Q.生活のために歌っていた人たちの方がすぐれていたのでしょうか。
A.生活できる、イコール、プロ、というのなら、後にひけないという覚悟では、一般の人よりはすぐれていたのでしょう。ただ、生活がかかってなくても、すぐれた作品を生み続けるプロはたくさんいます。 Q.頭で納得できないと身が入らないのですが。 A.間違いや無駄、無理を避けたいのは分かります。しかし、自分の限界を破るには限界を知るまでやることも必要です。何事も自ら試さないと自分にもわかってこないものです。 Q.トレーナーの方法やメニュが合わないと思うときは言うべきですか。 A.言ってみるとよいと思います。でも、少しでも可能性があると思えば、とことんやってみることです。最初から完全なものなどありません。よい結果を出すために、自ら変わらなくてはいけないのではないでしょうか。この場合のよい結果とは、トレーニングでの声ということでなく、実演(芝居、歌、他)に対してということです。 Q.自分に合わないことはやりたくないのですが、ヴォイトレも必要だと思って続けています。 A.何をもって合うとか成果とかいうかは、難しいものです。自分に厳しい人は、なかなか望むとおりにならないと思います。しかし、声だけでなく、考え方、ものの見方、判断力など、いろんなことで成長し、可能性が広がること。そして、そこに結果として表現力がつくのが一番だと思います。 Q.自分は、すぐにできないと思ってしまうのですが。 A.すぐにできたと思って、続けない人よりもよいともいえます。自信をもちすぎているために、あまりトレーナーのアドバイスを基にして変わらない人もいます。できていないことをできるようにするのですから、すぐにできないことほど価値があるのです。ただ、できないとばかり思っていてはよくありません。自覚できていなくとも少しずつ、内部で変わっていると思ってください。 Q.高音発声だけにヴォイトレを使いたいのですが。 A.よいと思います。それだけの目的で、まず取り組んでみてください。ただ、ケースによってはそれだけに限定しない方が大きな成果を上げられるでしょう。 Q.どんなヴォイトレでも満足できてしまうのは、問題意識がないからですか。 A.満足感、充実感はとてもありがたいことで、続けるエネルギーになります。ただ、変化や進歩にも厳しくなりましょう。これくらいやっていればよいというのでは、妥協にみえなくもありません。でも、自分のやり方、考え方に固まってしまって変わらない人からみたら、一歩進んでいるともいえます。 Q.ヴォトレに限らず、一つのことが続きません。 A.継続的な努力のためには、向上心をもち続けること。そのためには、常に目標を掲げ、その達成を意識していることです。スポーツなどに試合があるのは、そのための機会です。試合がなくても、続けなくてはいけないとなると、なかなか難しいでしょう。ですから、それにあたるものを具体的にセットすること、できるとかできないは考えないでよいです。他の人からは無理と言われるくらいの大きな夢がよいでしょう。でも、レパートリーなど、具体的な目標も決めましょう。