A.回避したケースでは、結果として、次のようになるのでよくわかります。1.耐久性、タフな声にならない。2.応用ができない。せりふや芸に使い方を自由自在にできない。本当に自由にできるのは天才ですから、ここでは、狭い範囲にしかできないと。例えば、一つの出し方しかできないというようなことです。
日本人の場合、音域、高音を重視しての基準でみる人がほとんどなので、より具体的には、1.話し声が悪い。声量、メリハリがない。2.高い声もヴォリューム感がない。マイクなしでは通用しない。だからといって、間違い、ダメだというのではないのです。その基準越えだけに専念して、日本のプロのヴォーカルとして、他の問題に触れずに通用している人はたくさんいるのです。この壁の前までで回避するトレーニングは(トレーニングよりもテクニックと言う方がよいのですが)マニュアル化しやすく万人に共通なのが、メリットです。スポーツの選手なら、リラックスしなさい、柔軟しなさい、ジョギングやランニングをしなさい、といった共通かつ万能の方法ですから、誰も異論もありません。高音も出て声もかすれない方が、そうでないよりはずっとよいからです。(♯)