発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.演じる声のふしぜんさは、なぜ消えないのですか。☆

A.そのふしぜんさは、映画の吹き替えやアニメの声優、子役相手の番組の声などにはあたりまえのようにみられます。アナウンサーもレポーターも、あまりしぜんには思えません。そう考えると、部下の上司へのおべっか声も、主婦の電話の話し声や、先生と話すときの声まで、嘘くさく聞こえてきます。

それは、日本人にとっての音声風土とみることもできるかもしれません。少なくとも、日本人の声の使い方は話し方として大衆に向かうものではなかったからです。それどころか、はっきり明瞭に強い音声表現を使わないのが、マナーとされてきたようなものです。私は、日本は音声表現を嫌う国なので、役者の養成所にでも行かなければ、欧米人の一般レベルの音声言語表現さえつかないと言ってきました。日本人に欠けているもの、それは呼吸法や共鳴法の前に、音声言語表現力です。これに聞く力も大きく関わっています。両方とも鍛えなくてはなりません。(♭)