発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q.日本人の声は弱くありませんか。☆

A.聴き手としての耳の変化、声の強い表現力を拒むようになってきていることの方が気になります。私の企業研修のテーマが以前は、「大きくはっきり伝える」だったのに、最近は、「感じがよく、大きく出さずに伝わる」ような通る声を求められるようになってきました。上司の大きな声だけでパワーハラスメントに近いと、若い人が思うようなことが現実化してきています。

日常の声レベルでの差を抜きにして、本来はオペラもポップスも邦楽も噺家も成立しないのです。歌についての現況は、音楽とレコーディング技術の進歩と、聴き手の耳の変化が支えているといえます。日常で、1時間も声を使えない人が、本番に1時間、声を使えるわけがないという常識的な前提を掲げておきます。(♭)