A.いくつもの理由があります。一例として、
1.体格の違い
2.騎馬民族と農耕民族の違い
3.言語の違い
4.建造物の違い
1をあげてみます。が、白人も黒人も、黄色人種と比べて大柄で筋肉質で体幹がしっかりしています。また、頭骨が前後に長く、彫りが深いため、共鳴腔が広いです。
2をみると、同じ黄色人種でも、中国人や韓国人は、日本人に比べて強い声をもつ傾向があります。ベトナム人やマレーシア人の声は、日本人に近いです。大きな声で指令を伝達する必要のあった騎馬民族と、小さなコミュニティの中で暮らす農耕民族の末裔の違いです。
3の言語については、欧米言語が属するインド・ヨーロッパ語族の音は、前後の音のつながりが強く、流れるように発音されるものが多いです。中国語は顕著な高低アクセントのため、必然的にはっきりとした音となります。
日本語は言語学的には「孤立した言語」と言われており、他のどの言語とも隔たりが大きいです。言語は生活環境の中で発展してきたので、日本人特有の、「和をもって尊し」とする島国の美徳は、語尾のはっきりしない柔らかな言葉を生み出しました。
4の建造物を見てみましょう。ヨーロッパの古い建物は石造りで、残響時間が長いです。教会のような天井の高い建物の豊かな残響は、グレゴリオ聖歌のような教会音楽に大きく影響しています。対して日本の、木と畳と紙でできた建物に、残響はほとんどありません。三味線や箏といった楽器に共鳴を増幅させるような機構がないのは、それが不必要だったからです。声も同じです。西洋音楽のような、大きく豊かな響きを必要としない文化だったため、それに見あった声になった、ということです。違うのには理由があり、もし西洋音楽をやりたいのなら、この差を埋める必要があるだけです。(♯∂)