A.体と呼吸と声のウォーミングアップを、適度にしておくことがよいでしょう。レッスン内容によっても、少し変わってきます。声を出すことが多いレッスンでは、体と呼吸のウォーミングアップをしっかりとしておくことが大切になります。ストレッチと軽い運動をして、体を充分に動かしやすくしましょう。呼吸のトレーニングもして、声をコントロールしやすくします。
声はレッスンでしっかり使うので、レッスン中に声が疲れたりしないよう、軽めに出すだけにしておきます。声のウォーミングアップ中にとても調子がよい声が出て、レッスン開始時には、もう喉が疲れているなどといったことにならないように、気をつけましょう。
呼吸や息、あるいは体を動かすことが多いレッスンの前には、声はしっかりとウォーミングアップをしても、体や呼吸などのウォーミングアップはほどほどに抑えておきます。レッスン中に疲れてトレーナーの指示に応えられない状態にならないよう、気をつけましょう。
体や声が慣れてくると、レッスン内容と同様のメニュを、ウォーミングアップとして使っても、レッスン中に疲れなくなるかもしれません。そうなれば、レッスン中にさらにその先へ進むことができるでしょう。理想は、レッスン内容と同じメニュのウォーミングアップです。
([E:#x266D]Ξ)
A.よい発声をするということよりも体を温めておく、声を柔軟に使えるよう、必要な体の場所をほぐしておくなどが重要かと思います。「声を起こす」と言ってもよいかもしれません。重要なのはレッスンを受ける前に声が疲れさせないということです。
1.唇の柔軟(リップロール、等)
2.舌の柔軟(巻き舌の訓練、舌を前にだしたり、舌先を軟口蓋につけた後すばやく前にはじく訓練。舌を前にだして左右に動かす 等)
3.軟口蓋の柔軟(あくびの要領で軟口蓋を上げる、Gの発音の場所を鳴らす。ドナルドダックのような声)
4.下顎の柔軟(舌先を下前場につけたまま、顎を左右に回す。顎を前後に動かす)
5.お腹の柔軟(ドッグブレス、お腹をゆっくりへこませ波うつような動き)
6.肩首の柔軟(肩甲骨を意識しながら回す、首を回す 等)
7.6を行いながらハミングや好きな母音を音程は決めず楽にでる音域で音をだしてみる。
8.仰向けになり1~3を力まないように楽に出る音域を、ハミングや母音で歌ってみる。([E:#x266D]Σ)
A.声を出せる環境からレッスンにいらっしゃるのであれば、発声や曲を歌うなど声を出しておくと、出さないで始めるよりレッスンの効率は当然上がります。ただトレーニングの内容は、人それぞれなので明言することは控えます。ご自身の声が早く立ち上がるトレーニング方法を把握してそれを「ウォーミングアップ」として行うのがよいでしょう。時々ご自宅やカラオケで1~2時間位声を出してきたという人がいますが、やり過ぎです。レッスンではすでに声が疲れ気味の場合が多々あります。
一方で出先やお仕事先からいらっしゃるのであれば、声を出して来られなくとも、例えば着くまで歩きながら息吐きをする、ちょっとした時間に身体を広げるストレッチをするなど、声を出すための「身体」を少しでもウォーミングアップすることです。是非試してみてください。([E:#x266F]α)
A.レッスンで出された課題を、復習しておくとよいと思います。自宅でできるような課題であれば、その課題をこなして次のレッスンに臨まれると、先の課題に進みやすくなると思います。実際に声を出して練習するに越したことはありません。
体が硬い人や息が吸いにくいという人は、事前に体をほぐしたり、ブレスの練習をしておくと、役立つと思います。
付け焼刃ではなかなか改善されないのがヴォイストレーニングなので、少しでもレッスンで得た内容の状態を、日常に応用してみてください。
トレーナーとしては、改善点を見出し、次への課題を提供します。できるだけ課題をこなしてみてください。すぐに完璧なものにならなくてよいです。繰り返し行い、実力を上げていくことが目的です。([E:#x266D]Я)
A.私はいつも現場に向かうときにやっていることがあります。特に久しぶりに声を出すとき、現場についてすぐ歌わなければならない時などは必ずするようにしています。
まず口蓋を上げながら息を吸い込んで、口蓋を上げることに慣れます。しばらく歌っていないと口蓋がなかなか上がらないことがあり、これができないと声がかすれてしまうからです。次に舌根を下に下げて喉の奥を開けるようにしながら呼吸します。このように喉の奥を開けることに慣れさせます。
そしてお腹を動かしながら呼吸をして、体全身で息を吐けるようにアップします。お腹がフレキシブルに動くようなったら、次は横隔膜を動かします。ドッグブレスのようにします。これも歩きながらでもできます。そして横隔膜の動きに合わせて声も出していきます。短く「アッアッ」と声帯を合わせて発声します。
最後に、どこでも人に迷惑が掛からずできる発声としましては、ハミングで小さい音で「ンー」と低音から少しずつ上げていきます。
このようなことをやっておけばレッスンで、すぐ声を出せるのではないでしょうか。([E:#x266F]β)
A.いきなりフルヴォイスを出すと故障の原因になるのは声もスポーツも同じなのです。運動前のウォーミングアップと同じように考えるとよいと思います。
レッスン前だけではなく、日々のトレーニングのメニュにしてもよいと思います。
身体をほぐす順番に記します。
・あくび
あくびをすることはできますか(毎日仕事で精神的に緊張状態で過ごしているという人が、いくらあくびをしようとしてもできないとおっしゃっていました。)
声を出しながら涙が出るくらい大きなあくびを繰り返します。
・喉頭筋のストレッチ
あくびをしたままの喉で(口は軽く閉じてもよい)ゆっくりこれ以上向けないところまで右を向き、5秒キープ。
ゆっくり戻します。同じことを左もします。左右3セット行います。
・aとeの母音で舌根を柔らかくするトレーニング
口の形ではなく、舌の位置を変えてaとeの母音を交互に出しながらスケールの練習をします。
・リップロール
・タングロール
・低音でのハミングのロングトーン
ハミングをしながら一緒にゆっくり首回しもよいでしょう。
・横隔膜を起こすトレーニング
犬のように「ハッハッ」と横隔膜を動かして起こします。
以上は、大きな声を出さなくてもできるウォーミングアップです。
レッスン前の待ち時間や自宅での練習メニュに加えてみてはいかがでしょうか。([E:#x266F]ё)
A.次のような息吐きのトレーニングをやっておくとよいと思います。
1.弱めに「ふー」と息を吐く。息を吐いてしまっても、数秒はそのままの方向におなかを動かし少し待ってからおなかをリラックスさせます。そうすると息が自然に入ってきます。これを数回。
次に前屈をしながら同じことをやります。下に倒しながら息を吐ききり、バウンドを軽くつけながら最後まで吐いてしまいます。数秒待って、ゆっくり息を吸いながら元に戻ります。ゆっくり背骨をまっすぐにして、肩をのっけて首をのっける。これも数回。
2.弱めに「はー」と息を吐く。息が口の上の部分にあたっていることを確認する。数回やったら途中から声を混ぜる。「はーあー」。あくまで息を吐くことをメインに。数回やったらはじめから声を入れる。声を出すことを目的にしない。「あー」。数回。
3.肋骨の下に手を入れて、激しく速く息を吐く。5回ワンセットからはじめて、10回ワンセット、時間で測って5秒~2分程度まで。
4.sで息を吐く。弱く長くを数回、強く長くを数回、8拍のカウントで数回繰り返す。([E:#x266D]∴)
A.体を活性化させた状態でくると、レッスンはより有意義な時間となります。声を出すというのはアクティブな行為です。
寝起きにいきなりよい声で歌える人はいません。最低限、レッスンの2時間以上前には起きて、誰かと軽く会話をして、少し歩いてからお越しください。
私がおすすめしているのは、ストレッチをしながら強めの呼吸をすることです。上体をひねったり、体側を伸ばしたりしながら、「ハッハッハッ」と10~20回鋭い息を吐きます。これで横隔膜が動きやすい状態になります。
ヨガ、軽いジョギング、ラジオ体操、ウォーキングなどの有酸素運動をしてからいらっしゃるのもよいです。
そんな時間の取れないご多忙な人は、駅から着くまで、たくさん息を吸って、なるべく長い時間吐かずにキープしたまま歩いてきてください。移動中にできる横隔膜の鍛錬です。([E:#x266F]∂)
A.あまり声を出さずに、ハミングと少し声を出す程度でよろしいかと思います。
・ハミングで5度の音階(ドレミファソファミレド)を上下無理のない音域で。
・ハミングでほぼ1オクターブ(ドレミファソラシドレドシラソファミレド)の音階を上下無理のない音域で。
・好きな母音で声を出して5度の音階を上下無理のない音域で。
これらのトレーニングをする前に、歩いたり、ストレッチをしたりなど体を動かし、体全体の血行をよくすること、ブレスのトレーニング(例えば、長く息を吐ききった後に息を吸う。など)をすることをお勧めします。([E:#x266D]й)