A.音符・発音が多い、音の高低差がある、複雑なリズムがある、など譜面上の理由で息を消耗してしまっていることはよく見受けられます。発声ではしっかりした声が出ているのに、曲になると消極的な声になってしまうのです。複雑なリズムを理解し、発音も把握していて一見歌えているように感じていても、息が足りないということは、まだそのリズムに発音を乗せることが感覚として馴染んでいないからです。
そのようなときは、リズム読み(音程をつけずに発音・リズム・音符の長さはそのまま)の練習が役立ちます。音程がつくと、人はどうしても歌声の方に気を取られてしまい、リズムや発音の改善に時間がかかってしまいます。リズム読みは、一度「音程をとる」ことから離れて、リズム・音符の長さに合わせた発音を身体に馴染ませる作業です。音程がなくなった途端にリズムや発音が乱れる(やりにくくなる)場合は、リズム読みが不得意なのではなく、まだ身体に落とし込めていないということです。([E:#x266F]α)