A.レッスンで後頭部や耳の後ろを意識させることはよくあります。なかでも、頭の後ろ、耳のあたりに向かって開けるように意識することで、喉の中のスペースを確保しようとする意図があります。声帯で作られた原音がよく響くためには喉のスペースが閉じてしまったり、喉が力んでしまってはいい声が作られません。
喉頭を耳の方に引き上げてくる茎突咽頭筋という筋肉がありますが、これが働くことで、喉頭が程よく引き下げられた状態が作れます。下げすぎず上げすぎず、程よい場所にキープされているということが、いい声を作り出す条件になります。咽頭自体はどこかに固定されているものではなく、舌骨から垂れ下がっているからです。
また、このあたりを伸ばすような意識を持つと軟口蓋が持ち上がるという二次的効果も期待できます。これも口腔内のスペースを確保するのに役立ちます。耳の後ろに特化することで、空間のメリット、喉の自由さのメリットを獲得しましょう。