A. 自分が聞き慣れている自分の声は、実際にまわりの人が聞いている自分の声とは違い、自分の身体の中を伝わって自分の耳に届く声もプラスされています。録音機器などで自分の声を聞くと、その部分が欠落しているので、違和感をおぼえます。他人の声を録音機器で聞いたときに、少し違う声に聞こえるので、自分の録音された声も、少し違うのだろうと、想像がつきます。それでも、昔に比べれば、録音機器の性能も、かなり向上しているので、以前よりは、本物に近い声を聞くことができるのでしょう。将来、技術の進歩によって、マイクなどを使わなくても、外に聞こえている自分の声だけを集音して、オンタイムで聞くことができるイヤーレシーバーができるかもしれません。それまでは、自分の本当の声を、聞くことは難しいでしょう。
おおよその自分の声は、録音機器で知ることができます。常に、声を録音して、聞き続けることで、声の変化を知ることができるので、習慣化することを、おすすめします。自分の声が変で嫌いでも、ヴォイストレーニングによって、変えていけるので、あきらめずにトレーニングをしていきましょう。([E:#x266D]Ξ)
A. 声が嫌いということと、発声がうまくいっていないということは別の問題です。自分に聞こえている声と第三者が聞いている声の違いというのはありますが、第三者に聞こえている声を知るというのならば、録音してみることが簡単です。スマートフォンに録音の機能がついているので、それで済むのですが、自分の声が変で嫌いという問題がなんとかなるとも思えません。何が変という具体的な事例がないことへの回答となるのであいまいな表現になると思いますが、変じゃない声というのを具体的にあなたの中で明確にすることが重要だと思います。変じゃないと思う声が明確にあれば、そこに向かってトレーニングを積み重ねられるかもしれません。
これまで指導してきた人の中にも自分の日常の声が嫌いという理由でレッスンにいらした人もたくさんいらっしゃいます。そしてレッスンを重ねて発声の技術向上をやり続けた結果、自分に自信をもたれて歌手として舞台に立たれている人もいます。
自分の声を好き嫌いと判断するのではなく、技術の向上を続け、そんなことを思わないところまで訓練を続けることです。変だと思うならトレーニングするしかなく、発声の技術向上はきっとあなたに自信をもたらしてくれます。それを手助けするために我々の仕事はあります。
([E:#x266D]Σ)
A.きっとこれまで、あなたなりに自分の声と向き合ってこられたのだと思います。あなたは自分の声を「変で嫌い」としている一方で、「(本当の)自分の声を知りたい」と思っています。それは実のところ、「変で嫌い」である今の声は、自分の本来の声ではない、とどこかで感じているからではないでしょうか。
あなたに限らず、誰でも中途半端に発した声を「今の声は好き!」「今のはよい声だった!」などと感じることはほぼありません。その逆もしかりです。つまり、しっかり声を発したとき、身体と共に声を出した体感を得たとき、その声に嫌なものは感じないのです。その状態になれたなら、あたなも「自分の声」として受け入れることができるはずです。
自分の声を知るには中途半端にではなく、身体を使ってしっかりと声を出す、という状態に身を置いてみることです。それにより声の聞こえ方も、声を出したときの体感も確実に(よい方に)変わっていきます。([E:#x266F]α)
A.大事なこととして、自分一人で解決しようとしないことだと思います。「自分の本当の声」というのは、自分自身では判断がつかないからです。自分自身で「よい」と思う声というのは、客観的に聞いた場合に必しも「よ
い声」とは限りません。それは、自分自身が楽器であり、プレーヤーだからです。楽器とプレーヤーの一体型がゆえに、聞こえ方というのは、自分自身と第三者とで変わってきます。往々にして、「自分自身によく聞こえる声」というのは、第三者が聞いて「違和感のある声」となっている場合が多いです。
自分一人だけで解決しようとせずに、トレーナーなど、指導者の下で継続した訓練を行いましょう。また、「自分の声を聞きながら(確認しながら)発声する」という感覚を捨てる覚悟も必要です。その代わり、フォームや体の使い方、呼吸の取り方など、「声や音」に頼らない部分の感覚を磨き、マスターすることが、本当の自分の声を知る第一歩だと思います。トレーナーなどの声の管理者のもと、自分の体の使い方に注力して、自分の声を確認しないことを徹底的に行うように心掛けるとよいと思います。([E:#x266D]Я)
A.誰しも自分の本当の声を、自分自身で聞くということは不可能です。自分に聞こえている音は、頭蓋骨の中に振動した音を骨を通して聞いているので、他人が聞いている声とは異なります。ですから、録音したときの自分の声がなんか変なふうに聞こえるというのは誰もが経験することでしょう。
自分の声が変と思われるのは、何か癖があるからなのでしょうか。誰かに言われたのでしょうか。
もし癖があるのであれば、トレーナーに聞いてもらって、何に原因があるか探る必要があります。それができたら次の段階として、声の出し方のメカニックを知る、つまりどこの筋肉に頼って出すか、どこの筋肉に圧力をかけるか、どの筋肉は緩めるのか、というメカニックを知る必要があります。
マイクを使わずに歌うクラシック歌手は、必ず気をつけていることがあります。「自分の声の響きを聞かない」ということです。これは鉄則です。自分のだしている声を聞き始めた途端に、メカニックで歌うことができなくなるからです。
いい声のでるメカニックを定着させるためにトレーニングを積む必要があり、そもそも自分の耳で自分の声を聞いて響きを調整してはいけないのです。ある世界的なオペラ歌手は「今日どんな声が出るかは出してみないとわからない。メカニックで声を出すだけだ」というようなことを話していていました。
本当の自分の声を知るには、頭蓋骨から骨盤あたりまで、細かく言うと、表情筋や咽頭、喉頭の筋肉、肋骨の筋肉、骨盤底筋、背筋、腹筋などをいかに統合的に使えるようになるかにかかっています。([E:#x266F]β)
A.「声」を「顔」と置き換えてみましょう。あなたは自分の顔が変で嫌いですか。これは捉え方によるでしょう。そこそこ、魅力的ではありませんか。ほっぺたのたるみも、目じりのしわも、おなかのふくらみも、ほくろも、魅力的なのではありませんか。
まずは自分を許し、好きになることです。あなたはあなたでそのままでいていいではありませんか。何をしようが、何をしまいが、いいではありませんか。これが出発点です。
自分を許せると、他人にやさしくなれます。すでによい自分を、よりよくしていく気になります。あなたは、超、よくはないかもしれない。一流の人から見ると、三流かもしれない。それでもいいではないですか。大好きなことに巡り合えたのですから。
私は最近やっとこのことに気づきました。「自分は大好きなことをやっている。幸せだ。死ぬまで深めていこう。」こう考えるようになってから人生が開けていったような気がします。まだ途上ですが。
余談になりますが、私はテレビを見ません。テレビは、人との比較を中心に成り立っているメディアだと思うからです。テレビを見ないと、私も、あの人もこの人も、魅力的に見えるようになってきました。([E:#x266D]∴)
A.自分の声に対して関心や欲求があるからこその疑問だと思います。その疑問こそ、声の鍛錬のスタート地点です。
普段、自分が聞いている自分の声は、他人が聞いているものとは違います。外耳で聞く空気の振動(つまり他人が書いている音)だけでなく、内耳で聞く骨伝導などの豊かな響きが加わるからです。
自分の声の録音を聞いて、あまりにペラペラな声に驚いたという経験は誰しもあるでしょう。特に女性の人で「私は声が低いです」とおっしゃる人は、大抵浅く甲高い声で話すので驚かされます。そこまで自分のイメージと実際の声は乖離しているのです。
でも我慢して3回録音を聞いてみましょう。きっといいところや、改善点が見つかります。
現状をそのまま受け入れることと、次に持っているものを深め、育てていくことが大切だと考えます。([E:#x266F]∂)