発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1121.裏声とファルセットとは、どう違うのですか。

A.「ファルセット」、「裏声」、「仮声」と定義があいまいで、人によって説明も違っているようです。ここでは『うたうこと 発声器官の肉体的特質』(フレデリック・フースラー/イヴォンヌ・マーリング著)を参考にします。「仮声」は声区のなかで呼ばれる名称で、音質の声のことを指します。その音質は更にふたつに分けられます。つまり、「ファルセット」と「裏声」です。以下、特徴をまとめます。

「ファルセット」・・・うその、誤りの、という意味。きわめて細かい音質で、張りがなく、声の通りが悪く、音量の変化性にも乏しい。ジラーレや中音域の充実した声に移行できない。虚脱した声と呼ぶ。(例:ひっくり返った声、ものまねで高音の声を出すときに用いられる声)
 
「裏声」・・・ファルセットとは逆に、本質的にもっと張りがあり、より強く、より通る音質の声。また、ある程度音量に変化をさせることができる。また、この声は充実した声に持っていくことができる。虚脱した声に対し、支えのある声と呼ぶ。(例:もののけ姫の米良さんの声) (♭Π)