A.もはや音の中だけでみていくのは難しい時代です。映画にしろ、音楽コンサートを聞きにいくにしろ、自分の私的な感情や、その日の気分やその頃の状況が全部、歌は入ってきます。日本の場合は、声以外のところにいろいろと入れすぎているという気はします。若い人に媚びなくてもよいと思います。
団塊の世代の人達は、あの頃の歌が好きなのでなく、あの頃の情景が好きなのでしょう。それを歌っていたら、そのときが蘇るので、その頃の歌を歌うのです。これも歌の強味ですが。
またそう使われるので、歌が誤解されやすいです。それで嫌な気持ちになる人も、いい気持ちになる人もいます。過去に頼ると難しくなるのです。
古くてあまり知らない歌に関しては、自分なりにいろんなものを入れていけます。純粋に呼吸のことや声の持っていき方、自分のオリジナリティの出し方というのを研究するとよいでしょう。