A.音楽基礎のレッスンでは、楽譜を読む能力を養うことが趣旨として一番大切にしていることですが、実は楽譜を読むという作業は奥が深いというお話をします。作曲家が楽譜を書くときに意識することは、実は音の高さや強弱、伴奏付けだけでなく、曲の表現法についてもとても気をつかって書いています。そして、作曲家が仕事を依頼されて(又は個人的な創作意欲で)歌の曲を書く場合、作曲家によって、歌手が表現する自由を与えるタイプと、自分の世界を忠実に再現してほしいという、2通りのタイプが存在します。歌手は、楽譜に書いてある情報をなるべくたくさん汲み取って、作曲家が意図する表現がどこまで具体的になっているかを判断したあと、表現する自由が与えられている穴を自分の解釈で埋めていくということをしないといけません。つまり、読譜力というものも、突き詰めていくととても長い道のりなのです。ある程度楽譜が読めるようになったら、曲の表現についても考えてみるとよいと思います。(♭∀)