発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3703.笑顔で歌う、頬骨をあげるようレッスンで言われるのですが別の現場では浅いと言われます。

A.まず貴方のレッスンの状況がわからないので何とも言えないのですが、私自身は頬骨を上げる、笑顔で歌うといった発声をなるべく生徒にやらないようにしています。

まず、そうすることで声が明るくなったり、響きが上がることはあります。しかし以下の3点のことが問題になってくるのであまりお勧めしていません。

・音楽は明るい歌だけではない。暗い内容の歌でも声が明るいのは問題ない。しかし表情が笑顔なのは問題。

・喉が上がりやすくなる。(これが声が浅い原因)

・顔の筋肉が硬くなりやすい。(顔が固くなり結果として首、喉周辺の筋肉も硬くなってしまう)

むしろ単純な発声の訓練、コンコーネ、パノフカなどを使用する場合には無表情で歌う位の方が上手くいきます。肝心なのは、息の流れ、支えであり、生徒のもっているそのままの声を鍛えるということです。自分から響きを作っていくというのはいかがなものでしょうか。

言葉や歌詞の内容で笑顔をつくることは大いにありえますが単純な発声としては無表情で顔で歌わず、身体で歌うことが大切です。(♭Σ)