発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3856.なぜ自分から声帯を鳴らしてはいけないのでしょうか。

A.みなさんは怒声をあげるときにどこに声を当てて声帯はこうやって引っ張って、と考えているでしょうか。サッカーの観戦で、応援するチームに点が入って、うわーと声が出るとき、事前に声帯はああしてこうして、と考えるでしょうか。そんなことを考えて、怒声や歓声をあげれますか?ほんとうにドラマティックな高音を歌うときも、おなじです。声帯をああしてこうして、、、と考えながら歌うと高音は失敗するか力づくになります。それは、ほんとうは怒ってはいないのに、声帯を操作して怒声を出すようなものです。

声帯はわれわれが手動で操作するには、あまりに複雑でデリケートです。 そもそも、そんなことを一音一音、考える余裕が本番であるのでしょうか。それにじぶんで声帯を緊張させてつくる「人工的な鳴り」よりも、感情の高まりから来る声帯の緊張でつくられた「動物的な共鳴」のほうが、大声量を生みます。むろん声帯は、動き方にセオリーがあります。確かに高いところはとくに喉頭輪状筋が、はっきりと動きますが、それは自力で動かそうとしてなせるものではありません。(♭∀)