A.ミュージカルでの歌唱の特徴としては・・・お芝居の中でのワンシーンとして歌うことです。多くはワイヤレスマイクを使用する、指揮者がいることが多い、コーラスが多い、など、実にユニークです。
発声方法としては、声楽的なものとポピュラー的なものと両方必要とされます。芝居しながら、時には激しく踊りながら歌うので、腹背筋のしっかりした支えと共鳴をコントロールできないと歌いきれないことが多いのです。また、音域も広く、ロングラン公演が多いので声楽的な発声方法が身についていないと声帯がもたないので、マイクを使用することが多いが、ワイヤレスマイクのことがほとんどで、ハンドマイクに比べるとシンガー自身がボディーで繊細に声量をコントロールしなければならず、やはり声楽的な発声が必要とされます。
一方、ミュージカルの歌唱は台詞の延長ととらえられるので、『喋っている声』にメロディーがついたものとして聴こえなければならず、よって、クラッシックの様な響きを大事にした唱法でもなければ、ポピュラーのような個性的な唱法とも異なる。よって、通常は地声が望ましいでしょう。日本のミュージカルの女性シンガーの場合ファルセットを多く用いるが、欧米では女性も地声のことが多く、本来ならそうあるべきだと私も思います。(♭Д)